Layman

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7/12/2023, 6:01:13 PM

その瞬間、今までずっと敵だった欲望は
自我へとすげ変わった。
これが正解だと思った。
我欲を抑え込んでる時点で
僕は自分との約束を破っていたんだと
顔を覆った指の隙間から君の背中が見えたよ
もうどうやっても届きそうにない
血色の悪い肌がかえってきめ細やかに映って
この瞬間の僕がきっと誰より高尚な感性を孕んでいたと思うのだけれど
視線をゆっくり下に下ろした
その輪郭は段々狭まっていくと
あるところから丸みを帯びていって
遂には熟れた卵のように品があって
だけれど控えめにだが不自然に突き出したそれはどこか挑発的だった。
力任せにつかんだ
君は体を強ばらせた
びっくりしただろう
だから近くの茂みに力任せに押し付けた
やったこともない、マグロの〆を連想した
君は息を殺していた
肌は一層青味をまして、それこそまるで青魚のようだった
僕はもうひとつ学んだ
獲物は案外身の程をわきまえている。
とりあえず1発殴った。
赤く腫れると萎えてしまうと後悔したが、頬を染めた青紫色を案外僕は気に入った
品があって淡く控えめな、君におあつらえ向きだと思った
その恍惚の間も君は叫び声すらあげず
口呼吸の音を抑えることに専念していた
涙は零れ続けていて、
静かなそれは僕の理想だった
空はまだ水色で、暗い森の中にもお日様の陽気は届いていた
そんな湿度の高いその空間で
僕は生まれて初めての青春を経験した

7/9/2023, 3:03:01 PM

好きなものが移り変わること
だからあの夜、
もう君しか好きになれなくなったんだって
初めて気づいた時は
本当に死ぬかと思ったなぁ。

6/25/2023, 9:15:37 AM

一年後
心をここに残して僕は上京している
開放感なんてなくて
引き伸ばされてちぎれていく心を感じながら
君と真反対の方向に行ってしまうんだ

6/24/2023, 9:20:49 AM

思い出を手放すくらいなら
このまま草を食んでいようと思っていた
今僕は、何輪もの花の間を飛び回っている
色を
快楽を辿るだけで許される生活
それでも
甘い蜜にたかっている時
葉陰から視線を感じることがある
振り返ると
蛹の中で完膚なきまでに溶かしたはずの芋虫が
こちらから
1寸たりとも
視線をずらさぬまま
側の新芽を
食んでいた

6/22/2023, 1:39:27 PM

いつもは首を縦に振るか横に振るかだが
今日は頬杖をついて首を支えてみた
傾いた教室は意外にも自分の性に合っているように思えた
斜に構えるという言葉を思い出して思わず口元が綻んだんだ
どうか君もお試しあれ
人間、何も分からないうちに首が座ってしまうものなのだから。

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