いわゆるドラッグストアに行くと、
買ったものを「食べ物系」と「その他」に分類し、
袋を分けたくなります。
すなわち、「食べ物系」はその名の通り、
・コンビニエンスストアのおよそ2分の1の値段で
売られているスナック菓子
・なぜかレジ横にたたずむ、きゅうり
(絶妙な細さと安さが魅力的ではあります)
・ゴマ多め(添加物も多め)のワカメスープ
・そんなには要らない紙コップ、
コスパ不明のラップ
などを入れるわけであります。
一方の「その他」には、
食べ物とは共にしたくはないもの——
・排水溝クリーナー(まぜるな、と書かれてあります)
・すでに香りの溢れている柔軟剤
などが挙げられますでしょう。
しかしながら、
・口に含むがすぐに出す、うがい薬や歯磨き粉
・目に投与する、目薬
などは、何となく
「その他」でもなく「食べ物」でもなく、
かといって、そのまま手で持って帰る勇気もなく、
SDGsに反すと理解しつつも、小ビニール袋を拝借し
3つ目の袋が誕生してしまうわけであります
(そして大抵は、惨めにも破けるのですが)。
#私だけ?
古びた旅館の 売店に
君は 並んで いた
パーマのかかったような 茶色の毛の
くま の ぬいぐるみ
◇
瞳は茶色く
首に巻いてある リボンさえも 茶色く
ぼくは まばたきをしない 君を
「バリバリ」と音のなる 財布に入れてある
祖母からもらった せんべつ で 買うことにした
◇
それから ぼくは 旅に出るたびに
君を手提げに忍ばせた
「荷物になるだろう」 と 親に言われても
君と 記憶を 培った
◇
君を お風呂にも入れて
もこ、もこと 泡を立てて洗った
脇の糸がほつれた時は
「緊急手術」を 行った
◇
君は 今 押し入れにいるだろう、か
過去の記憶を遡り 懐かしがっているだろうか
その点で やはり 僕たちは
似たもの同士と いえるだろうか
アンモナイトが泳いで
トリケラトプスが駆け抜ける
(死後化石になる、なんて
誰が思っていただろうか?)
まだ言葉のないころから
(厳密には コミュニケーションはあったと
研究者は騒ぐかも しれないね)
日は上り また沈む
おすすめ動画を見終わったとしても
ただ画面をスクロールしたとしても
充電1%で 充電器を探したとしても
日は上り また沈む
人類がいかに進化しようとも
(すなわちスマートフォン以上の進化がある、
というわけでありますが)
誰かがそれに飽きようとも
ピアニストがまた1人 歴史になったとしても
日は上り また沈む