冬山210

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10/26/2024, 6:47:16 PM

『愛言葉』

例えお前が生ゴミになったとしても愛してるよ。

嗅覚までは誤魔化せないから、
「くっせぇ」って言っちゃうかも知んないけど。
別にそれが悪いって意味じゃないから。

鼻つまみたくなるくらい臭くても、
目背けたくなるくらいグロくても、
それがお前であるなら俺は愛せるから。
吐瀉物だろうが痰だろうが愛するから。

お前が五十過ぎた頭皮の薄いオヤジになろうが、
体臭がきつくて脂でギトギトのオヤジになろうが、
それがお前ならそれで良いんだ。
どんな世界線でだって俺はお前が好きなんだ。

中指立てて人を虐めるような悪人でも、
快楽のために人の命を奪うような犯罪者でも、
弱者ばかりを狙う救いようのない人間だとしても、
それでもお前を愛してるよ。

否定はするし反対もするし、
時にはぶん殴ることもあるかも知んない。
でも絶対に嫌いにはならないよ。
絶対に一人にはさせないよ。

だからどうか、俺のことを嫌わないでいてね。

10/12/2024, 7:20:36 AM

『カーテン』

カーテンが風を含んでふくらんだり、
風に引かれて窓の外へいくことを
『窓が呼吸している』と表現した君に
私は一生追いつけない。

10/7/2024, 5:46:30 PM

『力を込めて』

力を込めて殴ってやったんだ!
元の形が分からなくなるまで殴ってやったんだ!

だって君が悪かったから。
僕を怒らせた君が悪かったから
だから殺意を持って君を殴った。

悪かったとは思ってるよ。
そんなに殴るつもりはなかったんだ。本当さ

でも一度込めたら中々消えなくて
殺意はきっと愛を含んでいて
それが心地良かったんだ。

それでもね、
僕は別に君を傷つけたかったわけではないし
君に嫌われたかったわけでもない。

信じられないかもしれないけれど、
君のことを愛しているんだ。本当に

込めた力は愛なんだ。
受け取ってくれてありがとう
大好きだよ。

10/4/2024, 8:43:59 AM

『巡り会えたら』

いつかいつの日にか
貴方とまた巡り会えたとしても、
私は貴方のことなんて忘れて
呑気に笑っているかもしれない。

その時はどうか頬を撫でてね。
貴方の手の温もりはきっと忘れないはずだから。

だけどもし、それでも私が気がつかなかったら。
その時はどうぞ私を殴って。
打って。蹴って。踏んで。切って。刺して。焼いて。
気が済むまで貴方の好きなようにして。

それでも気がつかないようなら、
きっとそれはもう私ではないのだわ。
だからその時は、ね、分かるでしょう。
その時は貴方がそれの心臓を止めるの。


それじゃあどうか、また巡り会えますように。
貴方の幸福を願っているわ。

9/21/2024, 8:28:16 PM

『秋恋』

この季節、私は世界で一番美しく在れる。
どんなに強く輝いていたって、
見えなければ無いのと同じでしょう?

私だけがここに在る。
他の奴らなんて目じゃ無いわ。
今この場にいるものたちの中で、私が一番輝いている。

だからどうか目移りしないで
南の空を見つめなさい。
18番目の輝きだって、今ばかりは一等綺麗な筈だから。



 秋の夜は魚の口に恋をする。
 フォーマルハウトはすぐそこに。

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