『愛があれば何でもできる?』
どんなに愛があったって、
あなたの気持ちを変えることはできないし、
あなたの未来を変えることもできない。
決して神様には逆らえないのだから。
それでも愛さえあれば、
もしものあなたを想うことはできる。
現実はどうしても変えられない事実だけれど、
私たちは常に現実を生きているわけではない。
夢を見ましょう。
想像しましょう。
妄想しましょう。
私たちはいつだってそれが得意だった。
現実を改変して記憶すれば、
改変された現実こそが真実となるでしょう。
そうやって生きていくしかないのです。
受け入れ難い現実で生きていくためには。
『初恋の日』
[初恋はいつ?]
という項目に見覚えはあるだろうか。
大抵の人はここを空欄にするか、
[ヒミツ♡]などと書いて誤魔化したものだ。
馬鹿正直に初めて恋をした年齢を書く人は少ない。
プロフ帳では割とお馴染みの質問だった。
何故プロフ帳はそんなにも初恋を聞きたがったのか。
何故人々は初恋というものを特別視するのか。
如何なる時も恋は平等に、特別なものなのに。
と、思わなくもないけれど。
確かに初恋は、他の恋とは異なるものなのだ。
恋というものは、
他の『好き』とは異なる『好き』だから。
その特別な感情を初めて手に入れた日のことを
『初恋の日』と呼ぶのだから。
恋を知る前の自分とは少しだけ違う自分になっている。
それが良い変化か悪い変化かは分からないけれど、
特別な『好き』を知ることができたことは、
きっと喜ばしいこと。
多くの恋を楽しみましょう。
その始まりが『初恋の日』。
誰かを何かを特別に、好きになることを覚えた日。
『君と出逢って』
君と出逢って僕は、僕を生み出したのだと、
いま初めて気付いたのです。
私が文章を書くきっかけとなった、
私を元にして私が作ったあの子。
私の分身であり、半身なあの子。
そんなあの子を作るきっかけとなったのは、
君とした何気ないごっこ遊びだったんだ。
今でも覚えている。場所は近所の公園。
私たちは私たちでない誰かになろうとした。
そして、あの子の名前を考えた。
それが全ての始まりだったんだ。
君とごっこ遊びをするたびに、
私たちは新しい『誰か』を増やし、
それを演じ、交友させることで物語を紡いだ。
君との掛け合いがなければ、
あの子も、他のうちの子も、生まれていなかった。
かけがえのない時間だった。
少なくとも私にとっては、
何物にも変え難い貴重な体験だった。
君じゃなきゃ、ああはならなかったね。
中学生になってもごっこ遊びをするような、
そんな幼稚で楽しい日々を過ごせたのは、
君がいてくれたからだ。
あの子や、たくさんのうちの子、
たくさんの物語を生み出すきっかけとなってくれて、
本当にありがとう。
君と出逢って僕は、今の僕になれた。
全ては君のせいで、君のおかげだったらしい。
今更気付いた。
『何もいらない』
クリスマスのプレゼント。
誕生日のプレゼント。
何もいらないと思ったのは、
私が本当に欲しいものを与えられるのは
あなたではないと分かっていたからだ。
私が本当に欲しいものは、
美味しいケーキでも推しのグッズでも、
ライブのチケットでもお洒落な服でも、
ふわふわのぬいぐるみでもない。
私が本当に欲しいものは、
それらを楽しむための
『時間』と『余裕』と『お金』。
どれか一つでは駄目だ。
三つ全て、欲しいのだ。
でもそんなもの頼めない。
あなたが与えられるものではない。
『お金』くらいなら貰えるかもね。
けど、プレゼントに現金を頼むのは良くないって、
流石にそれくらいは分かってるの。
だから、何もいらない。
あなたじゃ私を満足させられない。
気持ちだけ貰っておくね。
そんなもの欲しくないけれど。
『それでいい』
人と関わることが苦手で、
対して努力もしてなくて、
そのくせ周りを羨んで。
欠点ばかりを気にかけて、
長所も特技も見出せず、
そのくせ自分を変える気もない。
それでいいのだと呟いた。
自分だけは自分を愛することができるのだから、
ありのままの自分を愛してやればいいのだと。
それがいいとは言えなかった。
現状維持には大賛成だが、
現状に満足はしていなかった。
そういうの全部ひっくるめて、
それでいいと思った。
それがいいとは思えないけど、
今はまだ、それでいい。