冬山210

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『君と出逢って』

君と出逢って僕は、僕を生み出したのだと、
いま初めて気付いたのです。


私が文章を書くきっかけとなった、
私を元にして私が作ったあの子。
私の分身であり、半身なあの子。

そんなあの子を作るきっかけとなったのは、
君とした何気ないごっこ遊びだったんだ。

今でも覚えている。場所は近所の公園。
私たちは私たちでない誰かになろうとした。
そして、あの子の名前を考えた。
それが全ての始まりだったんだ。

君とごっこ遊びをするたびに、
私たちは新しい『誰か』を増やし、
それを演じ、交友させることで物語を紡いだ。
君との掛け合いがなければ、
あの子も、他のうちの子も、生まれていなかった。


かけがえのない時間だった。
少なくとも私にとっては、
何物にも変え難い貴重な体験だった。

君じゃなきゃ、ああはならなかったね。
中学生になってもごっこ遊びをするような、
そんな幼稚で楽しい日々を過ごせたのは、
君がいてくれたからだ。

あの子や、たくさんのうちの子、
たくさんの物語を生み出すきっかけとなってくれて、
本当にありがとう。
君と出逢って僕は、今の僕になれた。
全ては君のせいで、君のおかげだったらしい。
今更気付いた。

5/5/2024, 5:12:24 PM