冬山210

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12/19/2022, 7:27:57 AM

『冬は一緒に』

冬は一緒にいてください。
春も夏も秋も我慢するから、冬くらいは一緒に。
だって寒いでしょう?
ひとりぼっちでは凍えて死んでしまうでしょう?
だから隣にいてください。
一緒に冬を乗り越えようよ。

雪だるまを作りましょう。君にそっくりな。
そしたら寂しくないかしら。
でも残念、雪なんて降らないの。
こんなにも寒いのにね。

春になったら暖かくなるだろうか。
冷たくなって動かないあなたも春の温度に溶かされる?
そうだといいな。そうだとな。

12/1/2022, 10:52:19 AM

『距離』

距離がある。
距離があるな。
君と私には距離がある。
隣にいるのにいつだって君は僕より先にいるようだ。

事実距離がある。
君は僕より早く大人になるし、
僕がいなくても平気らしい。
僕だってまぁ、君がいなくても死にはしないけど。

距離がある。
埋まらない距離が埋まらない。
埋めたいわけでもないけれど、一人ぼっちは嫌だから。
君に隣にいて欲しいんだ。
あんまり遠くへ行かないで。

私がここにいる内に君は先へ行ってしまう。
停滞していたいのに。変わらない方が楽なのに。
子どものままが幸せなのに。それは私だけなんだ。

一緒に居てはくれないの。
距離は広がるばかりなの。
仕方がないから私は自分で自分を慰める。

置いていかれることよりも、
変わることの方が苦痛だから。

11/29/2022, 8:01:09 AM

『終わらせないで』


「中途半端に終わらせないで。
 作るならちゃんと最後まで作って。

 あんたが勝手に産み出したんだから、
 責任持って墓に入るまでを描いてよ。

 誰も俺のことは知らないんだ。
 俺たちのことはさ。

 あんたしか知らないんだよ。
 これからの俺のことも、これまでの俺のことも、
 知っているのはあんただけなんだ。
 決められるのはあんただけなんだ。
 俺ですらないんだよ。

 あんたにしか続けさせられないし、
 あんたにしか終わらせられないんだ。
 あんたが終われば俺たちも終わるんだ。
 あんたの命はあんただけのものじゃないんだよ。
 それが俺たちの命なんだよ。

 だから終わらせないで。
 終わらせるなよ。
 あんたが生きてる限り俺たちは、
 停滞してたって生きてるんだから。

 あんたは俺の死を決めてるらしいけど、
 描かれない限り実行はされてないから。
 それにあんたは俺の来世を決めてるし。
 どんだけ俺のこと好きなの。気持ち悪い」

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気持ち悪いだって。言われちゃった。
また無理やり引っ張り出して口開かせたから。
いつもこんな役割ばかりだね。ごめんね。

11/22/2022, 7:47:32 AM

『どうすればいいの?』

人に聞く前に自分で考えろよな。
考えもしないで聞くなよな。

お前がどうすればいいのかなんて、
他人にゃ全く分かんねぇし、関係のないことなんだ。

どうしたっていいんだよ。
お前の自由にしろよ。



責任を持ちたくないんだよな。
自分の言動で間違いが起こった場合、
それを他者のせいにできた方がずっと楽だから。

「お前がこうしろって言ったから…」
だから、俺は悪くないんだって。
そう言えるようにしているんだろう。
いつでも逃げれるようにしているんだ。卑怯者め。



どうすればいいのかなんて、みんな分かんないんだよ。
答えを求めても出てこないよ。
それでもどうにかしなきゃいけないから、
どうにかこうにかして乗り切ってんだよ。

乗り切れてるのかなぁ。

11/18/2022, 8:08:58 PM

『たくさんの想い出』

家族のことも友人のことも、
推しのことも好きなもののことも、
いつかは全て忘れてしまうのでしょう。
恐ろしくて堪らない。

私が最後まで覚えていられるものは何だろう。
最後に私の中に残るものは一体何なのだろう。



老いるにつれて記憶が無くなっていくのは、
様々なことを忘れていってしまうのは、
次の人生に向けて頭を空っぽにするためらしい。

赤子の脳は空っぽでしょう?
今世で覚えたこと全て忘れて空になって、
そしたらまた空の赤子として生まれるんだ。

っていうのは高校の時に生物の先生が言っていた話。
授業とは何の関係もない雑談を覚えている。
授業の内容は何も覚えていないのに。



こんな私にも忘れたくない想い出はたくさんある。
それってとても恵まれてる。

私は想い出に浸って生きていられる人間だから、
想い出は私にとって幸福の源だから、
できるだけ長く覚えていたい。

だからいっそ、忘れる前に消えてしまいたい。
幸せなまま人生を終えたい。

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