【あなたとわたし】
ねぇ、鏡の国の御伽話を知っている?
そこは、苦しいことなく、悲しいことなく。辛いことなく。
理想の世界みたいなの。
あなたは…そこにある幸福に会いたいかしら。
わたしは…そうね。ちょっと怖いわ。
語り部たちの古い古いお話を耳にした時。
鏡の国の御伽話、嘘か真か…とても不思議だったわ。
でもね、今は信じられるのよ。
だって…見つけたんだもの。
鏡の国の世界を
本当に素敵な国で、其処に永住したいと思ったけれど。
兎に止められたの。
『君はこの世界の登場人物じゃないよ』
兎は笑っていたわ、とっても愉快に!
腹立たしいことこの上ない感覚だったわ。
でもね?
わたしは、鏡の世界に居着かなくて良かったと思っているのよ。
あなたと出会えたんだもの。
幸せよ。
あなたも、わたしも、欠けた者同士。
運命を感じたの。
あなたは鏡の国を見てみたい?
きっと、感動すると同時にわからなくなる。
幸せが何なのか。
幸福で存在し続ける事は、幸せなことではないのよ。
だって、光は闇があってこそ輝いて。
逆も然りですのよ。
闇は光があってこそ、淡々と自身の心を落ち着かせてくれる。
明るすぎては、苦しみがわからなくなる。
当たり前の幸福は麻痺してしまい、真の幸せがわからなくなる。
程よく、均等が取れた世界がいいと思うの。
兎は、元気かしら。
素晴らしき、あの偽りの幸福の世界。
紙芝居のように薄っぺらい世界かもしれないわ。
でも、此処は違う。
丸い地球(ほし)
惹かれ合う、運命の赤い糸のような出会いと別れを繰り返す。
あなたとわたしは…このまま本当の幸福を探して生きてゆく。
偶には、別々のレールを歩いて。
時に、一緒に歩いて。
そうして生きていくのだわ。
【柔らかい雨】
君がいなくなった日もこんな天気
ポツリと何かを呟いた
その場で立ち尽くすしかなく
僕の悲しみ
雨が癒やしてくれたなら
雨が流してくれたなら
嬉しいのにな
瞼を閉じる
笑う君が見えるのです
あの日…何故いなくなってしまったの?
一緒にいれば、事故に巻き込まれることなんて
なかったはずなのに。
守れたのに
でも、時間は過ぎるばかり
過去の悔しさをバネに
僕は生きるよ
君の思い出を抱いて
ちゃんと、頑張って生き抜くよ。
この世界を
【懐かしく思うこと】
これは昔々のお話です。
一人の少女がいました…その子はよく心を閉ざしてしまいまうのでした。
それに光を差し込んだのは、動くこと、スポーツです。
なんと、幼い頃に3年間もスポーツクラブで活動し続けたのです。
家庭は散々な環境でしたが、唯一の救いが運動でしたので、とても楽しく。
時に嫌になったりはしましたが…通い続けた事はとても素敵なことです。
今も先生は何をしているかな?等…心に思い。
懐かしい気持ちを思い出しています。
今はどうなのでしょう。
元気ですか?
あれから好きなことが変わったかもしれません。
ですが、頑張ることができる。習慣化できる貴女がとても素敵です。
いえ、頑張れなくとも。生きていることが素晴らしいのです。
どうか、気を落とさずに。輝き続けて下さい。
貴女が救われたのなら。今度は貴女が誰かを救う番です。
今は絵や詩文作成、台本書きが好きなようですね。
とても嬉しいことです。
元気そうですね。
最近いいことありましたか?
どうか、生きて、足掻いて、たくさん笑って、時には泣いて。
貴女なら大丈夫ですよ。
懐かしい思い出がいつもお側で見守っております。
大好きな貴女へ。
昔々のお話でした。
時々でもいいから、思い出してくださいね。
貴女を助けて行きたい、懐かしい思い出より。
追記…難しかったですが、書くことができて嬉しいです。
【もう一つの物語】
地球の裏側には何があるんだろう。
そっと…覗いてみたいけれど。
私には、見に行く勇気がない。
なんでか、足が竦むのです。
知らない不思議な世界
真っ暗かもしれない
真っ白かもしれない
灰色かもしれない
そういった、不思議なもの、世界、何か。
一歩踏み出す勇気を、空から貰って。
地球の裏側に、もう一人のワタシがいて。
幸福に笑っていますように。
え、今が不幸なのか?
そんなことはないのよ
更に上を目指す私がいるだけ。それだけ
今に満足すれば笑える?
もう一人のワタシのように笑えていますように
覗いてみないとわからないけど
きっと笑っている気がするの
私とワタシ。
魂の片割れ