高く高くのぼっていく
ものすごいスピードで
一筋の光のように
どのくらい時間が過ぎただろうか…
真っ暗闇を抜け心地よい温かさ、やさしい光に包まれた
ふわふわとした大地に足をつく
私を乗せた龍はお辞儀をして空に昇っていった
前から影が歩み寄ってきた
懐かしい顔。
小学生の時に生き別れたおばあちゃん、
とても可愛がった愛犬のポチ、私が怒ったまま会えなくなった親戚のおばちゃん、優しい笑顔が大好きだった近所のおばちゃん
「よくがんばったね」
あぁわたしは死んだのか……
精一杯ではないけどいい人生だったかもしれない…
顔を上げて潔くみんなのもとに歩みだした
……………と思ったら自分の部屋にいた。
!????
夢だったのか…
何かを握りしめていることに気づきそっと手を開くと……
固く小さなキラキラと光るもの
龍の鱗だ。
あの龍は確かに…
朝焼けの赤い太陽の光に透かしてみるときらっと光り部屋中が透明な赤い光に包まれた
そっと握り、机の引き出しの小さな小箱にしまう
空をぼーーと見上げてると
一筋の白い線が空に昇っていった
子どものようにないたあの日
彼の胸の中で わんわん泣いた
別れるのが悲しくて 行ってほしくなくて
私が落ち着くまでずっと 困った顔で見守っててくれてたね 背中に手置きながら
あの手のぬくもりがまた優しくて温かくて
涙が溢れて止まらなかった
離れてもまたあえると思っていたのに
その日は来なくて
永遠のバイバイになってしまった
きょうもそこから私のこと見てくれていますか?
私は今日も笑うからね。
見ててね。
ぼくはきみのなみだの精
きみから生まれた
悲しい気持ちと嬉しい気持ちと安心した気持ち
ぼくにはいろんな気持ちが混ざっているけれど
全部きみの感情だと思ったら愛おしいんだ。
今日もきみは泣いてるね
誰を想って泣いてるんだろう
きみにぼくはみえていないみたいだけれど
そんなのどうでもよくて、
涙の理由もどうでもいいんだ
きみがたくさん泣いてすっきりしてくれるといい
ぼくがいつでもそばにいるよ
見えないぼくからきみへ
たくさん泣いて腫らした目だけれど、
明日はきっといいことが待っているからね。
これはぼくのおまじない。
よしよし、大丈夫。大丈夫。
私の人生はこの板に奪わている。
誰とでも繋がれる時代になった。
ひとりで寂しいときも誰かと話せるようになった。
でもひとりでいられなくなった。私の人生を奪っているモノ。安心をもらえるけど私が生きるはずだった時間。返信を待ってソワソワする心。
いいようで何もいいことなんてない。
これがなければ、好きな人とは繋がれないのか。
私は満たされないのか。
誰かと話すことを望んでこの板とにらめっこするより、自分をいきよう。
時間を取り戻そう。
今までの人生はもう捨ててこれからを。
別れ際にくれた笑顔を大切に胸にしまいながら。
空が泣く
優しいシャワーのような涙
金木犀のふわっとした香り
君は確かにここにいた
わたしは覚えてる。ちゃんといた。
どうか、この記憶を胸に刻んで
いつまでも忘れないように。
この優しい雨が降るということは、きみがちゃんと空に登れた証。
そこから見ていてね。
立派に生きて見せるからね。
わたしの笑顔、君に届きますように。