空が泣く
優しいシャワーのような涙
金木犀のふわっとした香り
君は確かにここにいた
わたしは覚えてる。ちゃんといた。
どうか、この記憶を胸に刻んで
いつまでも忘れないように。
この優しい雨が降るということは、きみがちゃんと空に登れた証。
そこから見ていてね。
立派に生きて見せるからね。
わたしの笑顔、君に届きますように。
とまれとまれとまれとまれ
あとすこしであの人は姿を消してしまう
あの日にならないように
とまれとまれとまれ
全てを受け入れているような顔で
そんな顔しないで
いかないでどうか、
わたしが時間を越えるから
越えてみせるから
命が燃え尽きるまで
この命はこの体はあと何年もつのだろうか。
ふだん寿命なんて全く考えないし気にしたこともない。ただ毎日をボーっと過ごして、それなりに時が過ぎて日付が変わり、いつの間にか一ヶ月も後半になっている。
大切な瞬間、幸せな時間をあと何回過ごせるだろう。
大切な誰かをつくれるだろうか
わたしが死ぬ時は誰が傍にいて泣いてくれるんだろう。
あなたは誰にいてほしい?
それがきっとあなたの愛する人。
ただただグレーな景色が通り過ぎる毎日が
少しずつ色付いたらいい。
一気に色づかなくてもいいから、一部分ずつ、
ゆっくりと。
気づけばきっと世界は色づき出して、あなたの世界が華やきだす。
明日はすこしだけ勇気をもって、一歩だけ踏み出してみようかな。
あれほど人をすきになったことはあっただろうか
この人と結ばれたらどんなに幸せか、寝る前に毎日妄想した
きみのことばですごく嬉しくなってだんだん話すのが楽しみになって、生きる楽しみになっていった。
わたしはきみがとても必要だけど、きみはそうじゃないみたい。悲しいけれど、このまま気持ちをぶつけていたらきみは困った顔をするし、わたしにはやめることしかできない。
わたしのせいで困らせるのはつらい。
きみが笑って幸せそうにしてくれてるのが一番なんだ。
本気で愛したきみへ。
今日も笑ってますか?
きみがいつまでも幸せでありますように。
月日は過ぎ私は年をとった。
心は若い頃と何も変わらなくしかし時は確実に流れている。
懐かしい写真…若かりし自分。もうこの頃には戻れないけれど、きっと豊かに暮らせる。
わたしには何が残されてるんだろう。
ヨーロッパの女性たちは年をとっても生き生きとお洒落をして、パリジェンヌなんて呼ばれてる。
このシワを隠さず、堂々とワンピースをきて口紅を塗る。
陽の光を浴びて私も笑いたい。