快晴_____
背景は大事だね。
桜の木の下、勝手に考えた。
ひらりと舞った花びらと、個体によっては葉が出できた桜並木。
帰路につけばすぐに目に入る。
綺麗に舞った花びらはずっと見つめていたくなる。
そんな桜たちを見つめていた。
でもなんだか少しくすんでみえる。
視線を遠くに変えてみれば広がっている曇天。
このせいでくすんでみえたのかな、なんて。
これがもし快晴だったら。
どれだけ爽やかだっただろう。
どれだけ心地よかっただろう。
どれだけ輝いてみえただろう。
真っ白なキャンバスに、透明感溢れる空色に乗せられた桜色を想像すると幸福感に心を満たされる。
この曇天を晴天に変えるだけでこんなにも幸福感がちがうなんて。
桜に寄り添う快晴。
私に寄り添う曇天。
< my >
遠くの空へ_____
何年も歩き続けた道。
そのはずなのに。
この家、こんなところに窓あったんだ。
この街灯、変な形。
なぜこう思うのだろう。
なぜ何年もの間気づくことが出来なかった?
そっか。
歩いてる時は下しか見てなかったんだ。
って、初めて気づいた。
いつからあるかわからない地面のひび。
何年もの間に蓄積された電柱の汚れ。
掠れて見えづらくなった道路の白線。
地面を這い私を追い抜く桃色の花びら。
眩しいほどに日の光が反射するアスファルト。
暖かな色に染まり艶をもつ葉っぱたち。
乾燥した空気がふわりとなびかせた制服。
どれも俯いた自分がフラッシュバックする。
ふと、上を見た日もあった。
あー、日が延びたなー。
とか、思ったりして。
いつの間にか忘れた空の色は今でも思い出せない。
笑うのも、泣くのも、喜ぶのも、悔しがるのも、照れるのも、隠すのも、空には向けなかった。
いつか、遠くの空に反射して自分の顔が見れるかな。
< my >
言葉にできない_____
言語化できない感情。
言語化できない現実。
言語化できない芸術。
これをなにで伝えればいいのだろう。
人は簡単に言う。
なんでも相談してね。
1人で悩まないでね。
言葉に表せたらとっくに相談している。
人に言えない理由はただ2つ。
1つ、自分の感情を言葉にできないから。
2つ、言ったところでさらに自分が傷つくだけだから。
それを理解していないような人間ばかりだから苦しむ人間が増える。
所詮ただの優しいふりである。
言葉にできれば、どれだけ楽か。
でも言葉にできるものだけじゃ、この世界つまらないよね。
< all >
春爛漫_____
何色とも表し難い桜が暖かい日差しの下で咲き誇る。
そんな季節は私たち人間が1番無色透明である。
新学期、新学年、新体制、進級、進学、転校、転職、新生活。
新たなる環境が顔をのぞかせる。
緊張感と初心な感情が複雑に絡み合い、どこか拙くそわそわとした様子が伺える。
だからこそ他人を気遣おうとする。
だから自分を抑える。
すると個性が見えなくなる。
その人の色が出にくくなる。
つい1ヶ月前までは生き生きと個性豊かだった人物も、なんだか人が変わってしまったかのように個性が見えない。
春爛漫、華やかに花々が咲き誇る。
春爛漫、乏しく我々は色を隠す。
< all >
誰よりも、ずっと_____
寂しいや。
大好きで尊敬している存在に会えなくなった。
またいつかどこかで会えるかな、なんて夢を語りながら。
姿は見えるはずもないのに。
きっとまだどこかにいる。
いや、絶対に。
でも見つけられることはないんだろうな。
最後の思い出はとってもきらきらしていて、いつ思い出しても幸せに浸れるもの。
なんか、まだ会えるような気がするんだけどな。
どうして私なんかにあんな輝いた笑顔を向けてくれたのか未だにわからない。
でもあなたは私に大切な役割を引き継いでくれた。
渡してくれた。
責任感と焦燥感に押しつぶされながら頑張ってるよ。
あなたからもらったたくさんのメッセージ、いっぱい力になってるよ。
いつでも背中を押してくれるあなたは素敵な存在。
私に信頼を置いてくれて、任せてくれて、頑張りに気づいてくれて、嬉しかった。
湧き続ける不安も塗り潰してくれるあなたは本当にかっこよかった。
私はそんなあなたをずっと、ずっと尊敬してる。
追いつきたいなって、追い越したいなって。
何度も何度もあなたを目指して頑張った。
今私は本当に頑張れていますか?
そう問いたくてもあなたとの距離は遠い。
周りよりも私はあなたと1歩遠い存在だったから。
だけど誰よりもずっと、ずーっと、あなたを想っています。
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