sweet memories _____
電車と先輩と。
高校時代のある年のゴールデンウィークのお話。
世の中の多くの人が連休も半ばだというのに。
今日も私は部活。
しんどいなぁ、なんて考えていつも通り電車に乗った。
当駅始発の電車に乗りこんで、溜まった連絡を返しながら発車を待つ。
すると おはよう なんて聞き覚えのあるトーンで声を掛けられた。
スマホから目を離し顔を上げると、大好きな先輩がいた。
喉の調子が悪いながらもなんとか声を絞り出し、返答する。
そのまま空いていた私の隣の席に座った。
私は先輩にとってはただの後輩。
わかってる。
話しかけるとニコッと
春恋_____
淡くて甘いかおりが広がる季節。
新鮮だからこそ、どきどき、わくわく、そわそわ。
何が理由でうるさいのか。
左胸が落ち着かない。
まあ、季節を言い訳に話せるならなんでもいいのかも。
フラワー_____
なにをいまさら。
華々しい季節に、廃れた私は似合わない。
きっと華のある人間に埋もれるだけ。
新たな環境だって、そんな人間が居場所を勝ち取っていく。
また1から築いていかないと。
今年は華が咲きますように。
bye bye … ___
甘い桜餅に少し酸っぱい桜の葉。
甘かった恋路に少し酸っぱい春の新芽。
甘くも苦い思い出の瓶に栓をして、
また新たな栓を開ける。
溢れて止まらない感情を、
受け止められる器は持ち合わせていない。
まぁ、そんなんでもなんとかなるか。
特に何も考えることなく、
踏み出すことが楽しめる秘訣。
とか、言い聞かせてやってみる。
どこまでも続く青い空_____
君は私のことを知らない。
私は君のことが好きだけれど。
仕方ないことなんだって、わかってる。
君の視野にはどう足掻いても入らないんだ。
でも、好き。
好きだよ。
きっと君は今までしんどかったんだよね。
それでも私みたいな人のために頑張ってくれたんだ。
そう考えるだけで私は嬉しいよ。
もっと感謝しなきゃいけないね。
見えるところだけを見て楽しんでいる訳にはいかない。
ここまで共に歩んできたからには。
その気持ちこそ一方的なものなのかもしれないけれど。
見えないところを見ることなんてできないし、きっと君にも見せたくない部分はあるんだよね。
そんなところも含めて愛したい。
でも、未熟で半端な私にはそれが出来なかった。
貫き通せなかった。
ごめんね。
私よりも君のことを好きでいてくれる人をもっと近くで感じてね。
そうすればみんな笑顔になるから。
私は大丈夫、時間が経てば落ち着ける。
気にしないで全力で走り抜けてね。
私は平気。
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