「だってさ!?」
「ねえさ!?」
「あのさ!?」
今日も今日とて大袈裟に泣き叫んでとりとめのない話ばっかしてる。
僕がいくら相槌を打つだけだとしても「聞いてる!?」なんて聞いてこない。
僕がちゃんと話聞いてるって、理解してるんだなって考えると心がポカポカする。
感情論ばかりで話はめちゃくちゃ。屁理屈上等。心ちゃんだとか綾音ちゃんだとか忙しいな。
でも、それでも
「ねえ聞いてよ!今日もさ!!」
とりとめのないこのめちゃくちゃな愚痴大会が、
たわいない日常が、
僕目掛けて一直線に駆け寄ってくる君が、
たまらなく愛おしいと思えるんだ。
僕がくしゃみひとつこぼすと、隣にいる君はくすりと笑う。
「風邪かな?」
「さあ、噂されてるのかもね。」
秋風ひとつ僕らの横を通り過ぎ、なんだか置いてかれてる気分だな、なんて。
雪を待つ君を待つ
ここにはいない君を待つ
君はもうここにいないのに
イルミネーション眺めてる君に見とれてる僕。
「綺麗だね。」って笑う君に「君も綺麗」だなんてクサイ言葉言えたらどれだけいいことか。
脳内で流れる「くーりすまーすがこーとーしーもやってくーるー」…今日はケンタッキーにしよう。
クリスマス、かぁ。今年ももう終わりなんだな。
感慨深い。
もう高校生になって、サンタなんて来なくなったけど懐かしいな。
「うおっ!?」
いきなり顔に暖かいものがつけられてびっくりする。
「なに?」
「へへ、トリック・オア・トリート」
「…?」
すごく無邪気に笑ってるところ申し訳ないけどハロウィンは過ぎたよ。
まあ、どちらかというとサンタさんからのプレゼントかな。
「お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞ」
やっぱハロウィンと勘違いしてる。そんなことある?
まあいいや。
サンタさんへ
願わくば、来年も彼女と同じ景色を見られますように。
次こそは、絶対に伝えるんだ。
「君は綺麗だ」って。
あーあーあーあー。今度は脳内にPretender流れてきちゃったじゃんどうしてくれんの。
「先輩!!かっこいいです!!」
「ウン、ありがとー」
「先輩!!今日もイケメンですね!!」
「ふふ、ありがとうございます」
なんて妄想しながら、
私は今日も、
「うへえ、ローディング長ぁ…あっ、先輩おはようございます!!!」
別次元に仮初の愛を注ぐ。