道草

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12/2/2022, 11:02:42 AM

走っている
街灯が等間隔に浮かぶ暗くて真っ直ぐな一本道を
これ以上は上がらないスピードで走っている。
続いている
同じ景色がずっと続いている
暗闇の中、一列に並んだ街灯の灯りが
前方から近づいて来ては後方へ遠ざかっていく
繰り返される 光、闇、光、闇。
いつからだろう、雨が降っている
空は曇っていたのか
暗くて何も分からない
見えるのはただ 光、雨、闇
光、雨、闇。
走っている
疲れを感じることも
スピードが落ちることもないまま
いつまでもたどり着けない始まりの場所へ
同じ景色の中をずっと走っている
そんな夢を見た
完全なる夢オチの話。

11/26/2022, 12:24:53 AM

朝から空は厚い雲に覆われている
だけど闇ではない
小雨がぱらついてきた
空が泣いている
だけど闇ではない
君は今どうしているのかと
ふと考えた
見えなくても
太陽の下


11/19/2022, 10:56:20 PM

もうすぐ君の誕生日だね
おめでとう
心から
君がいることにありがとうを

11/13/2022, 12:46:31 AM

スリルについて考える
日曜の朝
薄曇りの空
気温はまあまあ
外は静かだ
みんなまだ眠っている
その間に
スリルについて考える
ほぼ空っぽの列車が
追い越してゆく
穏やかで軽い響き
やがてそれも消えて
空の彼方を
音もなく飛ぶ鳥の群れ
追いかけて追いかけて
小さくなって
どうでもいいか
スリルなんて

11/8/2022, 11:45:50 PM

昨日、帰り道で見上げた月が赤かった
そう言えばそんな日だったな、と
朝見た天気予報を思い出す
予報通りの晴れた夜空に
予想通りの赤い月がいる
人間ってまあまあすごいんだな
意味のないことに意味をつける天才
その一人でもある僕は
わざと遠回りをして帰った
送電線の間に浮かぶ月が
いちばんきれいだった
なんでかな
すごくきれいだった


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