道草

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9/14/2022, 12:08:38 AM

静けさを通り越して何もない
受け入れることも拒むこともしない
怖いぐらい透明な空気の中に
自分の本当に欲しいものまで消えて
残された体の中を巡る微かな音だけが
聴こえてくる
想像もつかないほど世界は広く
びっくりするほど人は小さく
そのうちの一粒が僕なのだと
今さら気づいて
ここではないどこかへ
還らなければいけない気がした

夜明け前

9/11/2022, 12:12:45 AM

きれいな朝なんてあるのかな
一晩眠ればぜんぶ洗われて
染みひとつないTシャツに頭を突っんだ時みたいな
本当にいい匂いのする朝なんて
小さな子どもの頃にしか来なかった
あまりにも小さくて記憶すらないけれど
なぜだか今朝は
あの頃の朝に似てる気がするんだ

9/10/2022, 12:10:07 AM

僕にとっての世界の果てが
君の居る場所であるように
君にとっての世界の果てが
僕の居る場所なんだ
絡まり合う幾千もの細い道の先端に
僕らは暮らしてる
その君と時空を超えて
不意に繋がった時に
世界はひとつしかないことを
僕は本気で理解しなくてはいけない

9/7/2022, 3:49:45 PM

どうして って言葉が
いつも僕に付いて回る
どうして人は生きるのか
どうして僕は存在してるのか
どうして君は泣いているのか
人は悲しいことの方が多くて
気持ちは行く当てもなくて
考えても考えても何も導き出せない
それなのにどうして
今日もまた探してしまうのか
色褪せた景色の中を
走りだしてしまうのか

9/6/2022, 9:57:37 PM

雲間から日が差せば
鳥はさえずり
羽ばたき飛び立つ
静かな郊外でも
ざわめく街中でも
未開の森でも

山ほどもある言いたいことを
抱え込んだら堕ちてしまうだろう
だから適度に削ぎ落として
フル軽装備で

朝日が洗い流した後の
輪郭鋭い交差点
青に変わる信号
どこへ向かうかなんて
鳥は自由なはずだ
時を告げる

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