道草

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9/7/2022, 3:49:45 PM

どうして って言葉が
いつも僕に付いて回る
どうして人は生きるのか
どうして僕は存在してるのか
どうして君は泣いているのか
人は悲しいことの方が多くて
気持ちは行く当てもなくて
考えても考えても何も導き出せない
それなのにどうして
今日もまた探してしまうのか
色褪せた景色の中を
走りだしてしまうのか

9/6/2022, 9:57:37 PM

雲間から日が差せば
鳥はさえずり
羽ばたき飛び立つ
静かな郊外でも
ざわめく街中でも
未開の森でも

山ほどもある言いたいことを
抱え込んだら堕ちてしまうだろう
だから適度に削ぎ落として
フル軽装備で

朝日が洗い流した後の
輪郭鋭い交差点
青に変わる信号
どこへ向かうかなんて
鳥は自由なはずだ
時を告げる

9/2/2022, 10:57:35 PM

特別じゃないことほど
なぜか不思議な力を持ってる
くだらない話で盛り上がったり
ただずっと景色を見ていたり
何でもないやり取りも
言葉の少ない時間も

あの頃へ戻れる音楽とか
懐かしい場所へ繋がる匂いとか
記憶と感覚はずっと結びついたまま
どこかの隙間に永久保存され
時々そっと差し出される
そんな感じの思い出に
僕は何度も助けられてきた
これからも

8/31/2022, 11:21:52 PM

いつもの列車が駅から滑り出した
広い川も住宅地も超えて
快速列車は突っ走る
窓の外を猛スピードで飛んでいく景色
それとは逆に
車両の内側に溜まっていく生ぬるい沈黙
不規則な揺れに乗り切れないまま
僕は小さく浮遊して今をやり過ごす
ビルの谷間にある終点で降りると
そこは常に1ミリ先の未来
快速のカプセルで毎日ぎりぎり滑り込んで
時の差を埋めるけれど
いつの日か追いつけなくなるほど
ここは遠い未来になってしまうのかな

8/30/2022, 2:28:49 AM

ざわめいていた町が
真夜中になると静まり返る
みんな眠りに落ちて
起きてるのは僕ときみだけになる
きみが誰なのか僕には分からないけど
とにかくふたりだけが現実で
それ以外はみんな夢だ
僕ときみは怖くなって
どちらからともなく手を繋ぐ
その手のひらの温もりが
だんだん本物のように思えてきて
僕らの心は震え
勝手に泣きはじめる
朝が来て町が現実に戻り
再びざわめきだすよりも前に
泣き止もうとだけ約束した

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