5/10/2025, 3:45:01 AM
夢を描けとは言うものの、誰もその代償については言及しない。
5/8/2025, 4:39:35 PM
僕と彼女とを妨げる壁は物理的な距離なんかでは無い。それは元から届かないはずのものだった。アラスカの魚が自力で氷上に出れないように、そこには不自由で不自然な壁がある。
5/8/2025, 2:20:37 AM
木陰で本を読んでいると、ページに木漏れ日がおちる。それは風に揺れて様々な形を見せて、騒がしい影絵のように僕の心をワクワクさせる。
5/6/2025, 4:48:59 PM
人を愛する余裕なんて無かった人生だから、歌謡曲を聞いても特に僕の琴線に触れるものは無かった。稀にある人生の悲哀とか物悲しさを嘆いた曲を見つければ、雨降りに歓喜する農夫のように、有難くそれだけを聞いてきた。
5/6/2025, 2:22:48 AM
手紙を開くと入れ子式に小さな手紙が入っていた。1枚目の手紙が白い洋封筒だったのに対し、2枚目は茶封筒になっていた。
茶封筒を開けてみると、そこには白い便箋に滲んだ黒いインキが見えた。
便箋を広げると、そこには「この手紙は練習です」と一言書いてあるだけだった。
僕は不気味に思えて、直ぐにその手紙を捨てた。心当たりは無かったし、イタズラだとしたら丁寧すぎる。それは、何かを予感させる不気味さを持っていた。