貴方が見てた景色は一生僕には見えないんだろうね、
君はベッドの上から、いつも窓の外を見ていたね
君が見たいと言っていた景色は1回も見れずに終わってしまったなぁ…
病室ではしゃいでいたね、もう少しで海に行けるって、
なのに……
そんなに急がなくたっていいじゃないか!
やっと海に行けるって、医者も言ったのに…
なぁ、そこの窓からは海が見えるか?
運命の赤い糸って知ってる?
よく聞くよね、
もしそれが本当にあったらどうする?
絶対にその人と生涯を共に過ごす?
私は〜ヤダなぁ、
運命の人がこのほっそーい糸に繋がれた人だなんて、
私は例えこの世に赤い糸が本当にあって、見えたとしても、
運命の人は自分で見つけたい!
「なぁ、俺たち男4人で海来てなにしてんだ?」
「言うなよ、虚しくなるから。」
「そもそも誰が言い始めたんだかな」
「いやさ、お前らもすっげーノリノリだったじゃん!!!!」
「だって、暑かったし、」
「夏だし、」
「きれいなお姉さんいるって言われたし、」
「じゃあなんでそんな、テンション低いんだよぉぉ!!!!」
「人いないし」
「海冷たいし、」
「日焼けしちゃうし、」
「女子かよ…」
「あ〜せっかくここまで来たんだからさぁ〜!!!!」
「無理やりにでも入れてやる!!!」
「「「はっ?」」」
バシャ!
「おい、冷たっ」
「お前、ガチでww」
「ヤバいってww」
「まてまてまてまて、話せばわかるってぇーw」
「問答無用!」
バシャ!バシャ!
「ふざけんなよw」
「着替えないってw」
「終わってるww」
男4人は海で遊びまくって、次の日風邪ひいた人もいるとかいないとか、
ここではないどこかに行ってしまいたい…
誰も私のことを知らない場所に、
なんなら誰もいない場所に、
死んだ後の世界はどうなってるんだろう
そう思いながらも、また、
いつもと変わらない日々を繰り返す。
死ぬ勇気なんてなくて、それでもどこかへ逃げたくて、でもそんなこと夢のまた夢だなんて
わかってるよ…
「またね」
そのまたねは何にも約束がないまたねで、本当にまた会えるだなんて約束されやしない…
本当に君にまた会えてたら、僕はなんて言うんだろうな、
いつからか、1人になってしまった僕は寂しく空を見上げた。
「違うなぁ」
君と最後に会った日、またねって約束した日
その日の空はこんなに濁ってなかったのに…