伝えたい。
かつて大嫌いだったあんたに。
友達になれて良かったって。
どんどん行動するあたしと、とことんマイペースなあんた。
しょっちゅう対立してたけど、どれも楽しい思い出になった。
辛い時、苦しい時、一番に慰めてくれたのはあんただった。
そばに寄り添ってくれた。
引っ越しまであと一週間。
なかなか素直に伝えられないあたし。
あんたが知ったら、いつものゆるい表情はどうなっちゃうんだろうね……
〜伝えたい〜
「これは、オレとオマエの約束!!」
高校の屋上で、みんなの人気者である陽キャヤンキーにそう言われた。
根暗で引っ込み思案で泣き虫な僕に、彼はそう言った。
ぜってーに惚れさせてみせる、とか、僕っていつから女の子になったんだろう。
もう全てが謎だった。
僕のどこに惹かれたのか。
でも、僕も心の中ではどこかで――
「――分かったか!っておい、聞いてんのか?」
「……うん、聞いてる。聞こえてるよ」
マスクの下、彼にバレないように、薄らと笑った。
〜この場所で〜
息子が公園で集めてくれた、三本のたんぽぽ。
「まぁま、ありがと。だいしゅき」
元旦那から言われることのなかった素直な言葉。
輝かしい太陽のような笑顔。
三本しか花がなくても、私にとっては十分な花束だ。
――こちらこそ、いつもありがとう。大好きだよ。
〜花束〜
ほろり。
自分の気持ちが溢れた。
この世に生まれて、愛するあなたと出逢えた喜びが。
はらり。
また、溢れた。
他の人に盗られた絶望と憎しみが。
ひらり。
横たわったあなたに、溢れた。
あなたに捧げるこの華。
花言葉は――××。
〜溢れる気持ち〜
あなたからのキスが欲しい。
自分からだなんて……そんな破廉恥なことできないよ。
あなたから強引に奪って、私の心ごと抱きしめて。
君からのキスが欲しい。
どんな君も可愛くて、愛おしいから。
君から控えめでもいいから、僕の心ごと鷲掴みにして。
〜Kiss〜