遥か彼方、遠くの空へ、想いを馳せて
もう何年経ったでしょうか。
貴方に恋い焦がれて
もう何年経ったでしょうか。
なんだか、不思議。
皆同じ空を見上げているはずなのに、
こんなにも離れていると感じてしまうなんて。
――嗚呼。早く会いたい。
会って貴方といっぱいお喋りしたい。お出かけしたい。
ファーストキスもかっさらって欲しい。
……でもまずは、一緒にこの広い広い空を見上げたい。
〜遠くの空へ〜
「ありがとう」
「ごめんなさい」
このたった数文字の羅列を自分は口にできない。
素直に言える人って、羨ましいと思う。
自分ってば、
やれ気まずいだの、
やれ気恥ずかしいだの。
ほんと、やんなっちゃう。
あーぁ、いつんなったらちゃんと言えるんだろう。
まだまだ果てしなく遠い気がするが……
〜言葉にできない〜
桜が辺り一面に咲きほこる季節。
僕はあなたの後ろ姿だけで、恋に落ちてしまいました。
黒い艶のあるストレートのロングヘアーに、
スリムな身体。
ベージュ色のトレンチコートともに、春風に靡く髪は、なんと言い表したらいいのか分からないくらい、とても美しかったのです。
今日もまた、駅の付近の桃色に色づく大樹の下に、あの人がいます。
日差しが花の隙間から入り込み、より一層艶やかに光っています。
そんな僕は今日、勇気を振り絞って話しかけてみようと思います。
少しでも積極的に、自分からアプローチしていかなければ。
〜春爛漫〜
あたしは誰よりも、ずっと頑張ってきた。
挫けそうになった時も、
自分を鼓舞して、
ただひたすらに努力を積み重ねてきた。
人一倍努力を怠らなかった。
……今のあたしなら、できる気がする。
目の前にある目標を達成することが出来るかも。
――I can do it.
〜誰よりも、ずっと〜
これからも、ずっとボクはキミといっしょにいるよ。
雨の日、捨てられたボクを拾ってくれたのは、キミだった。
糸もほつれて、綿が飛び出てボロボロだったボクを拾ってくれたんだ。
この人はとっても裁縫が得意なんだ。
チクチクチクチク、針を刺されたけど全然痛くなかった。全くもって気にならなかった。
前にいた場所と比べれば……
無事縫い終わったボクを見て、キミは「可愛いくまさんね」って、優しく微笑んでくれたんだ。撫でてくれたんだ。それがすごく嬉しくて、ずっとそばにいたいって思った。
――今日もボクは、キミのそばにいることが出来た。
あっ、今日はボクを抱きしめて寝るの?何か嫌なことでもあったのかな。……うん、いいよ。いっぱいぎゅってして?
これからも、ずっとボクはキミといっしょにいるよ。
……捨てない限りは、ね。
〜これからも、ずっと〜