頑張って生きる一般人さん。

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4/4/2023, 2:48:57 PM

あなたは、ずっとずうっと子供のままでいいの。

全部、お母さんが面倒を見てあげるからね。

あなたの好きなお菓子、ゲーム機、マンガ本。何から何まで、ぜ〜んぶ買ってあげる。だから、どうか私から離れていかないでね?

いっぱい甘えてくれるならそれだけでいいの。
後はもう、何も要らない。
あなたが私と一緒に生きてくれるだけで、幸せなのよ。


自分が産まれてからろくに親に愛されず、
要らないモノ扱い。
学校になんて行かず、そこら辺の大人と遊んでいた。
別に、そんなことしたってなんにも叱られなかったから。
そして、自分の何に惹かれたんだか分からないやつと結婚して離婚して。
またさらに他の男と結婚して離婚して。
そんなことをずっと繰り返していた。

……そして、あなたのお父さんもどこかへ消えちゃったわ。
でも大丈夫。あなたがいるから。
たくさん愛を注いであげるわね。

だから、あなたは一生子供のように私に甘えていればいいの。
それでいいのよ。

〜それでいい〜

4/3/2023, 3:05:00 PM

「お姉ちゃん!そのお菓子、1つだけちょーだい!!」

 小学校1年年くらいの時の妹はすんごく可愛かった。ちょっと舌っ足らずな言葉で、両手を前に出して欲しいアピールして。中々あげないと、うるうるした瞳で見上げてきて。そんな姿に愛おしさを感じて、自分が一番大好きなお菓子だったけど、あげていた。まぁ、私の方がお姉さんだったしね。

でも。

「お姉ちゃん、お姉ちゃんが持っているものぜーんぶちょうだい?」

 私の好きなバッグ、友達、恋人……その他諸々。
高校に入ってから、可愛いなんてちっとも思わなくなった。私の大切なものを奪い取るように持っていく。なかなか手に入らない時は、ワントーン高い声を出す。そして甘えるように私に言い寄っては、直接ターゲットに這い寄る。……なんでこんなやつの姉なんだろう。

〜1つだけ〜

4/2/2023, 2:57:24 PM

大切なものは、人それぞれ。

ある人からもらったプレゼントとか、
愛するペットとか。
自分の命とか、
懸命に働いて稼いだお金とか。

たくさんの理由があって、それが大切になっている。

だからそれを、馬鹿にしたり貶したりするのは良くないと思うなぁ。
そういう方にも、何かしら奥に眠っていると思うから。

〜大切なもの〜

4/1/2023, 10:01:53 PM

「お前が、好きだ」

 放課後、幼なじみの莉瑠に告白した。場所は体育館裏。告白するにはベタな場所だ。熱の篭った告白を受け、彼女はびっくりしたような、キョトンとしたような瞳で見つめてきた。

「ほん、とう?」
「あぁ」

 なーんちゃって。今日はエイプリルフール。……まぁ確かに、莉瑠のことは好きだが。相手の気持ちが上手く汲み取れないせいで、気持ちを伝えるのに億劫になっている自分がいた。とても情けないと思っている。早いうちにネタバレしちゃおう。

「なーんちゃっ……」
「知ってる?エイプリルフールって、嘘ついてもいいの午前中までなんだよ。午後からは嘘のネタばらし」
「へっ」

 変に裏返った声が出る。その事実を知った途端、一気に顔に熱が集まっていくのを感じた。それを見た幼なじみは大笑い。ゲラゲラと声を上げて、ひっきりなしに笑う。やがて収まったのか、俺の目を真っ直ぐに見据えて、言った。

「いいよ。私も、好きだから」

 いつもは強気な彼女が見せる、恥じらいの姿に思わず胸が鳴った。嘘の告白は、本当になってしまったのだ。

〜エイプリルフール〜

3/31/2023, 3:38:48 PM

「今日は、ありがとね」

 放課後の屋上、あなたは私の方を見ないで呟く。校庭では、風に乗せられて巨大な桜の木がさわさわと揺れている。彼女はまた言葉を紡いだ。

「あなたが私を救ってくれなきゃ、自分は死んでたんだろうなって。どこにも居場所がなくて」

 長い黒髪を揺らめかして、今度ははっきりとした声が聞こえてくる。私は何も言わないまま俯いた。あなたがいじめられていたのは、前から知っていたことなのに。
 あの頃は枯葉だった。かなりの時間がかかってしまった。血が出そうなくらい強く、唇を噛み締める。ぽかぽかとした春の陽気なんか、ちっとも心地よくなかった。

「――だから、あなたには幸せになって欲しい。こんな私を救ってくれた、大切な人なんだから」

 いつの間にか彼女は振り向いていた。その顔は微笑んでいる。頬を桜色に染めて、日光みたいに暖かく微笑んでいる。今伝えるべきなんだろうか。私の想いを。私だって、あなたは大切な人だ。友人とか、親友とか、そんなんじゃない。

「幸せ……、じゃあ」

 私と、付き合ってください。恋人として、ずっとあなたのそばにいたい。それが、私にとっての幸せだから。

 素直に伝えた、伝えてしまった。彼女はだんだんと林檎色に染まる。瞳がキラキラと輝いているように見えたのは、多分、私が勝手にフィルターをかけてしまったからだろう。前に差し伸べた手はするりとかわされた。落胆したのは一瞬。私は彼女からギュッと抱きしめられた。「いいよ。私も」って、耳元で聞こえた時は、どんなことにも代え難い幸せがそこにはあった。

〜幸せに〜

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