自分には、裏の顔がある。
いや、違う。
裏の裏の顔がある。
いや。
裏の裏の裏の……顔がある。
自分しか知らない顔。
みんなみんな知らない顔。
あの子よりも、その子よりも、深い深い闇を持っている気がするの。
そう思うと、なんだか寂しくなる。
誰にも共感されない苦しみ。
その反面で、なんだか誇らしくなる。
自分『だけ』だから。
あとは〜……これがいちばん重要かも。
▓▓▓▓▓▓▓▓人がほしい。
〜どこにも書けないこと〜
カチ……カチ……
カチ…カチ…
…
あ、止まった。
もう電池切れだよ。
みんなについていけなくて、
置いてけぼり。
自分に手を差し伸べてくれる人なんていないから。
時は流れるのに、
秒針は止まったまま。
電池交換してもらわなきゃ、そこで終了。
――時が流れ、無数の人が行き来する中、
自分を再び動かしてくれる存在は現れるのか?
〜時計の針〜
『この思い、届きますように』
そう願いながら、彼の下駄箱に手紙を入れた。
今どきなら、スマホを介してでもやりとりできる。
なのに、自分はこんな面倒くさい方法で思いを伝えようとしている。
その理由は簡単。
この方法の方が、ちゃんと気持ちを届けられると思ったから。
なんとなく、だけどね。
溢れる気持ちは、言葉となり、文章となり、一本の赤い糸となる。
もう私は準備万端。
あとは相手が結んでくれるか。
あぁどうか、
『この思い、届きますように』
〜溢れる気持ち〜
おはよう、のKiss。
行ってきます、のKiss。
ただいま、のKiss。
おやすみ、のKiss。
そのどれもが私を『幸せ』にしてくれる、
そして、私には勿体ないくらいの、
至高のお菓子のようで。
もうやめなきゃ、って思っても、
また食べたくなっちゃう。
欲しくなっちゃう。
するとあなたは応えてくれる。
嫌な顔ひとつせず。
ミルクチョコレートのように甘い笑顔で。
そして、私は、またあなたに溺れてゆく……
〜Kiss〜
1000年先も、ずっと『人間』という存在がいてくれたらいい。
人間の優しさが、
人間の温もりが、
人間の楽しさ、面白さが、
ずっと、ずうっと残り続けてくれたらいい。
〜1000年先も〜