『悪者になって、殺される。
でもそれは、世界が平和になるために。
みんなのために明日を創る。』
そして、
『悪を討った英雄は生き残り、賞賛される。
彼の騎士となり剣となった。
彼の創った明日を守る。』
嘘つきで、優しかったからこそ、こんな事が出来た。
色々あったけど、最終的には託された。
「二人いればできないことなんてない」
そんな二人の関係が羨ましくて、尊い。
〜優しさ〜
真夜中、
俺の背中には翼が生える
漆黒に染まった、渇いた翼で、
この暗闇を切り裂くように飛ぶ
真夜中、
私の背中には翼が生える
純白の、美しく輝く翼で、
この夜空に明るさをもたらすように飛ぶ
このふたりが交わった時、この空、いや世界は――
〜ミッドナイト〜
安心、する場所なんて、人なんてない。
私にあるのは、不安の塊だけ。
そうなるつもりだった。
私は、あなたに出会ってから変わった。
あなたが喋るから、私も喋った。
あなたが泣くから、私も泣いた。
あなたが笑うから、私も笑った。
あなたは色んなことを教えてくれた。
なぜだか知らないけど、あなたがそばにいると、私は安心するの。
だから、今度は私の番。
絶対にあなたを幸せにしてみせる。
私の命が尽きるまで、全てをあなたに注ぐから。
〜安心と不安〜
誰?
あなたは誰なの?
人影に向かって問いを投げる。
影は何を言わずに、ただじっとそこに立っている。
ねぇ、いい加減教えてよ!
ずっとあたしの夢の中に出てきてさ!
一体何がしたいわけ……?
影の背後には、真っ白な光。直視できないほど眩しい。あたしは俯き、ひたすらに言葉を続けた。
すると、その思い伝わったのか、最初に出てきた言葉は――
『前を見て、歩んでいきなさい』
そう言われた途端、急にあの光に、影ごと包み込まれた。あたしは思いっきり目を瞑る。
そして、目を開けたならば、見慣れた天井。
あれ以来、あたしはあの人影の夢を一切見なくなった。
あれは一体誰だったのだろうか。
〜逆光〜
僕は、ある日、こんな夢を見たんだ!
何もかもが、自分の思い通りにいく夢!!
テストで100点を取りたいって、思ってたら本当に取れちゃった。
給食ジャンケンで勝って、デザートもらえちゃった。
ずっと口を聞けていなかったお友達とも、仲良くなれちゃった。
だけど。
みんなの顔は、不気味だった。
お人形さんみたいな感じがした。
最後には、僕はみんなから囲まれていた。
たくさんの目が、たくさんの口が。
ずっと僕を睨みつけて、何かを話していたんだ。
……やっぱり、何もかも思い通りに上手くいく人生って、羨ましいけど、とっても怖いなぁ。
〜こんな夢を見た〜