「見て!お兄ちゃん!!シャボン玉いっぱーい!」
「うん、そうだね」
太陽の光に照らされて、虹色に光り輝くシャボン玉を見て、妹が笑う。虹色、って言ったけど、ちゃんとしたきれいな虹色じゃなくて、赤が強いやつとか、青が強いやつもある気がする。
「あっ、割れちゃった」
「大丈夫、ほら、こうして僕が吹くとね」
またたくさん出てくる……
「――今も頑張ってるのかなぁ、おもちゃ屋さん」
一人、土手に寝っ転がっている自分。妹はおもちゃ屋さんで働きたいと言っていた。たくさんの笑顔を見たいからって。
ふと、どこからか子供のはしゃぐ声と多くのシャボン玉が飛んでくる。今日も自分の働きで、たくさんの笑顔が見られたのかな、なんてちょっと微笑ましく思った。
〜色とりどり〜
私は今日、初めて雪を食べた。
雪って、真っ白で綺麗なのに、色々と不純物が入っているんでしょ?
まさにその通りだって思った。
あれ、たくさんの汚いものが混じってて食べるもんじゃないって思った。
今すごくお腹が痛い。
……でも、仕方ないでしょ?
雪がずっと一緒にいるって言ってたのに、約束破ったから。
でもこれからは違う。
ずっと、ずっとずぅっと一緒だからね。
〜雪〜
僕は、『君と一緒』なら、なんでもできるんだ!
――うん、知ってる。知ってるよ。
だから、今日もあたし、頑張るね。
最後にもらった、古びた手紙に唇を落とす。
「あたしも、『あなたと一緒』じゃなきゃ、なにもできないんだもの」
あたしは今日も秘密の研究所へ行く。
あなたを生き返らせるために。
失敗しても、あなたはあなたなんだもの。
あたしは一生そばにいるわ。
〜君と一緒に〜
「今日は晴れ、か」
冬は嫌い。でも晴れているからまだマシ。これが曇りだったり、雨だったりするのなら、気分が下がる。それより、吹雪だった場合は、もう最悪。
「今日はあの人の命日でもある」
一人、墓の前。名前も知らぬ白い花を持って、ひっそり佇む。あの人がいなくなってから、私は心を閉ざしてしまった。周りと関わるのが嫌になってしまった。
――また、ひとりぼっち。
「……誰か。もう誰でもいいよ……なんならいっそ」
お天道様が、私の心を溶かしてくれてもいいんだよ?
あの人とそっくりだから。
〜冬晴れ〜
んー、幸せ……
あ、好きなものをいっぱい食べられること?
あー……でも、ついついいっぱい食べることができると、自分の体を壊しちゃうかもしれない。
じゃあ、明日を生きられること?
いや、明日なんて来て欲しくないって人がこの世にいるかもしれない。
ダメだダメだ。
――あ。
誰もが自由に何かをできること?
……でもそれじゃあ、ぐちゃぐちゃに混乱しちゃうよ。人も世界も。
幸せって、時には破滅に陥る時がある。
あ、これじゃあ回答になってないか。
しかもカッコつけすぎ。
ほんとは、ヘンテコな文でも、胸の中にある思いを綴って、色んな人に何かを感じとってもらえる。これが自分にとっての、素直な『幸せ』。
〜幸せとは〜