亜沙美多郎

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8/29/2023, 2:44:06 PM

ケンカした。

仲直りしないうちに、風邪で寝込んでしまった私。

会わない時間は、一見ホッとしたように思えたけど、一人の時間を過ごすほどに虚しくなる。

こんなことなら、素直に謝れば良かった。
些細なことでお互いを傷つけあってしまった。

次に会ったら私から声をかけよう。

すると夕方、突然の訪問者。

「え……どうしたの……」
「大丈夫かなって、思って」

気まずそうにしながらも、心配してきてくれた。
それが嬉しかった。

「私ね、ごめんね」
「こっちこそ、ごめんね」

ずっと心に感じてたシコリが消えてなくなる。

今度は、私から会いに行こう。

8/27/2023, 3:58:36 PM

昨晩から降り続いた雨で、田んぼの畦道はぬかるんでいる。

曇天の空。降り続く雨。

喜んでいるのは、自分と、新しい傘を買ってもらった子供くらいなものだろう。

きゃっきゃとハシャぐ子供が通り過ぎると、小さな足跡が池になった。

その前に佇む自分の顔が、泥水に薄らと影を映す。

いつの間にか聞こえなくなった声。
降り頻る雨音だけが響いている。

泥と同じ色の体に染まった自分は、その小さな池にぴょんっと飛び込んだ。

8/26/2023, 12:50:50 PM

最初は見ているだけだった。

友達と楽しそうに笑っていたり、意外と字が綺麗だったり、教科書に隠れてパンを食べていたり。

思わずクスッと笑ってしまうような、君の些細な仕草や、選ぶ言葉のセンスを、日々綴っていた。

その記録は少しずつ変化していく。

目が合うようになり、挨拶を交わすようになり、連絡先を交換し、毎日おやすみと送り合う。

毎日記録していたから、些細な変化に気付けたような気がする。

君がこっちを見ている時間が増えたとか、一緒に帰るようになったとか、漫画を貸すようになったとか。

ただ見ているだけだった日々が変わっていく。

そうして今年最後のページには、ツーショットの写真を添えた。