「待っててね、私もすぐにそっちに行くよ」
友達が引っ越してしまった。
私の唯一の友達だった。
悲しかった。
次の日、知った。
彼女は、私の悪口を言っていたんだって。
悲しかった。
けど、それ以上に怒りたかった。
なんで。
信用してたのに。
友達を作った。
頑張って、彼女がいなくても友達を作れた。
嬉しかった。
友達が死んでしまった。
私の唯一の友達が。
あなたに伝えたかった。
大好きだって。
貴方に伝えたかったんだ。
大っ嫌いだって。
でも、伝えられないんだ。
あなたは、私の嫌いなあいつが好きだったから。
貴方は、私の大好きな彼が好きだったんだから。
両思いなら、仕方ない。
けど、許せない。
みんな、許せない。
私を残した彼も。
私を惨めにしたあんたも。
そして、本当の気持ちを伝えられない私も。
みんなみんな、大っ嫌いだ。
でも、2人には伝えたいんだ。
せめてもの報い。
『ふたりとも、お幸せに』って。
『あの日、この場所で』
こんなフレーズに憧れていた。
私にはそんな場所ないから。
今の生活には心底うんざりしてる。
『やめて』って言えない自分が嫌い。
あいつらの言いなりになるだけ。
もういやだよ。
こんな自分、いやだよ。
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「やめなさい!!」
「やっべぇ逃げろ!!」
ある日のことだった。
クラスの女子に助けられた。
こんな事、はじめてだった。
あの日、この場所で、私は彼女に助けられた。
「私も、先生みたいになれますかね……?」
「大丈夫、あなたなら大丈夫よ」
誰だって、最初は初心者だから。
はじめから、上手な人なんていないから。
安心していいのよ。
大丈夫。
あなたならできる。
「××ちゃんって、いつも笑ってるよね」
笑ってるわけ無いじゃん。
泣きたいことも、たくさんあったよ。
でも、笑顔がいいの。
私が笑ってれば、みんなも幸せだから。
自分のおかげで誰かが笑ってくれると、嬉しいだろうから。
私は笑ってるよ。
顔だけね。
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「おねえちゃん、ありがとう!」
「私も、あなたが笑顔になってくれて嬉しいわ」
あの頃から、決めたんだ。
人を、笑顔にするって。
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「だからって、自分は笑ってなくていいの?」
そんな事、初めて言われた。
考えたこともなかった。
「きっとそのお姉さんは、××にも笑っててほしいと思うよ」