こんな夢を見た。伝えようとしたときには今朝見た夢を忘れていた。
どうして夢を覚えていられないのだろう。もしかしたら今朝見た夢には君が現れたかもしれないのに。
いや、覚えていない方がいいのかもしれない。いくら夢を見ても夢に君が現れないとしたら、それはとても辛いから。
こんな夢を見たかもしれない。君に今朝見た夢を伝える夢。
遠い君へ
タイムマシーンで過去に戻るのはどんな感じなんだろうか。今の姿のまま過去へ行くのか。それとも当時の姿になるのか。記憶や知能は持って行けるのだろうか。
今の知識を持ったまま過去へいけないのなら、別に過去に行きたいとは思わない。だって、頭の中身が当時と同じなら、当時と同じ判断や選択しかできないのだから。
過ぎ去った出来事を後から俯瞰することで色々と見えてくる。今は今できる限りのことをするしかない。
遠い君へ
君と星を見る夜は特別な夜。いつもよりも夜空が鮮やかで、全天の星々はひときわ明るく輝く。
あの光景は一人では見ることのできない特別なもの。君が私の世界に彩を与えてくれる。
だけど、星々の瞬きを映す君の瞳に勝るものはない。その小さな星空を少しでも長く見ていたい。
君と星空を見ていると、星々はいつもよりも速く動く。特別な夜は瞬く間に過ぎ去ってゆく。
遠い君へ
海の底では雪が降る。灯火を燃やし尽くしたものたちの残骸が降り積もる。海の底は全ての始まり。役目を終えると皆そこへ回帰する。
かつて燃え尽きて雪となったものたちがいた。海の底に降り積もった雪の中で私は作られた。私もいずれは雪となって新たな芽生えの糧になる。その芽生えの中に君はいるだろうか。
もし君がいるならば、私の全てを君に捧げることを許してほしい。君のためであるならば、この不条理な荒波を耐え忍ぶことができるから。
遠い君へ
君に会いたくて、秒針の刻む音を聞く。
時が全てを解決してくれると先生が言っていた。
なのに、どれだけ針が進んでも私の前に君はいない。
君に会いたくて、時の流れにただ身をまかせる。
遠い君へ