わたしはぎらぎらしていたい。
輝かしい星なんかじゃなく。
優しい木漏れ日なんかじゃなく。
美しい水面なんかじゃなく。
人を斬るための刃のように、氷を砕くアイスピックのように、地を割るツルハシのように、ぎらぎらしていたいんだ。
誰よりも鋭い切っ先で、あなたの胸を抉じ開けたい。
その心臓に届きたい。
そのために、誰よりも、ずっと、ずっと、ずっと!
#誰よりも、ずっと
遠ざかっていくだろう。
遠ざかり続けていくだろう。
同じにはなれないことを、思い知り続けるだろう。
遥か果てしなく、背を向けて歩いていくだろう。
でも。
僕らの心の居場所が、もし、この星のようだったら。
いつか、いつか、また向かい合えるかもしれない。
僕は、それを信じ続けよう。
青い惑星の裏側で、君とまた出会うことを。
#これからも、ずっと
照らされて、赤。
その頬が、少しずつ藍に沈んでゆく。
見えていたはずのことがわからなくなっていく。
夜明け、再びそれが明らかになるとしても、陽の光のもとで見たものだけが本当だろうか。
ここで、落日に隠されていく何かは?
君の中にある、夜の帳の内側は?
#沈む夕日
その奥に光がある。
見出そうとする者にしか見えない光が。
通り過ぎる雑踏の中では見つからないだろう。
そこに理想を見ようとしても、きっとだめだ。
君を知りたい。
僕はもっと、君を。
渦を巻く星空のように遠く果てしない祈り。
君の瞳のポラリスが、それを静かに導いている。
#君の目を見つめると
あれがぜんぶ落ちてくる日が、来ますように。
世界の終わりは、そんなふうに来ますように。
彼女はそう言って、両手を組み合わせて祈る。
その頬は笑っている。冗談だよ、と言うように。
実際、どこまで本気でどこまで冗談かはわからない。
でも、全部が冗談ではないだろう。
だから僕は、両手を組み合わせて祈る。
あれがぜんぶ、いつまでも空に輝いていますように。
世界の終わりは、僕と彼女の人生の後にして下さい。
#星空の下で