遠ざかっていくだろう。
遠ざかり続けていくだろう。
同じにはなれないことを、思い知り続けるだろう。
遥か果てしなく、背を向けて歩いていくだろう。
でも。
僕らの心の居場所が、もし、この星のようだったら。
いつか、いつか、また向かい合えるかもしれない。
僕は、それを信じ続けよう。
青い惑星の裏側で、君とまた出会うことを。
#これからも、ずっと
照らされて、赤。
その頬が、少しずつ藍に沈んでゆく。
見えていたはずのことがわからなくなっていく。
夜明け、再びそれが明らかになるとしても、陽の光のもとで見たものだけが本当だろうか。
ここで、落日に隠されていく何かは?
君の中にある、夜の帳の内側は?
#沈む夕日
その奥に光がある。
見出そうとする者にしか見えない光が。
通り過ぎる雑踏の中では見つからないだろう。
そこに理想を見ようとしても、きっとだめだ。
君を知りたい。
僕はもっと、君を。
渦を巻く星空のように遠く果てしない祈り。
君の瞳のポラリスが、それを静かに導いている。
#君の目を見つめると
あれがぜんぶ落ちてくる日が、来ますように。
世界の終わりは、そんなふうに来ますように。
彼女はそう言って、両手を組み合わせて祈る。
その頬は笑っている。冗談だよ、と言うように。
実際、どこまで本気でどこまで冗談かはわからない。
でも、全部が冗談ではないだろう。
だから僕は、両手を組み合わせて祈る。
あれがぜんぶ、いつまでも空に輝いていますように。
世界の終わりは、僕と彼女の人生の後にして下さい。
#星空の下で
愛ではなかった。恋でもなかった。
君がわたしにくれるものは、そうじゃなかった。
それはもっと小さな、白詰草みたいな好意だった。
季節が巡れば消えてしまう、儚く無垢な想いだった。
わたし、今でも君を夢に見る。
でも、それでいい。それで、よかった。
#それでいい