小さい頃、客間で遊んでいてそのまま眠ってしまったことがある。
祖父が起こそうと名前を呼ぶ声でぼんやりと意識が戻っていたけど、自分で布団まで行くのが嫌で目を開けなかった。
父が来て運んでくれている時も目を閉じていた。
寝たフリが下手だから、成功したのはこの1回だけのような気がする。

いつも同じものばかりだと飽きるかなとか、たまには変わったものもいいかなと色々悩みながら選ぶ。
別にいらなかったのにって言われても、嬉しそうな顔をしているのを見てしまっているから、また喜んでいるところが見たくて贈ってしまう。

自分の中に羅針盤があるとしたら、持っている羅針盤はちょっと狂っているかもしれない。
自信満々に逆方向に進めようとしたり、全く違う方向に進めようとする。
たまには正確な方向を指し示して欲しいものだと思う。

明日なんて来なければいいのに、時間が止まってずっと今日ならいいのにって何度思っただろう。
不安なことばかり考えて、自分から一歩踏み出す勇気がまだ持てないまま、また明日に歩いていっている。

喧嘩して嫌な気持ちになって、思い出してまた悲しくなっても、もう会えなくなるのは嫌だなと思う。
本当には嫌いになれない。
替えなんかなくて、その人だけだから。