せっかく生きてるんだから
自分のまわりを花々で埋め尽くして
優しい風をふかせて
清々しい高原に立っているような生き方をしたい
人にいじわるしたり
陰口たたいたり
暗くていやあなところを自分から作ることなんてない
天国とか地獄とかあるかわからないけれど
あの世に持っていけるものが記憶だけだとしたら
自分から地獄をもっていくこともない
みんないろいろ事情があって
ひどい目にあうときもあるけれども
できれば手のひらの中にあるだけでも小さな天国を
あの世にもってかえりたい
(天国と地獄)
あの人が幸せでありますように
あの人がすてきな女性と家庭をもって健康に暮らしていますように
傲慢な私が手放した幸せ
後悔はないけれど
傲慢だからこそ祈らせてください
あの満月のように何もかけない
あなたが満ち足りていますように
もう二度と会うことのないあなたがあなたらしくありますように
どうか 月に願いを
いつまでも降り止まない、雨
逃げ込んだ植物公園の温室は蜂蜜色の空気で満たされていた
気圧頭痛が少し和らいだ気がした
雨は優しい湿度にかわり亜熱帯植物は魂のかたまりにみえた
極彩色の花々に目を奪われ
急激にお腹がすいてきた
ふらふらといすに座ってそっと目を閉じ
植物の気配とかすかな雨音に耳を澄ます
異国の植物から太古のエネルギーをもらう
植物のエネルギーを吸い込む
蜂蜜色の空気に溶け込んで
そして生きるために晩ごはんのことを考える
あの頃の不安だった私へ
こんなのドラマでもベタベタすぎてシナリオにならんわー
とか思いながらいろいろ大変なことが次々起こったでしょ
大丈夫、ちゃんと数十年後に伏線回収されるから
事実は小説より奇なり
なやんだってしょうがない
わりとねえいいようにいいところに流れ着くから
世のなかそんなに悪いものじゃなかったよ
大丈夫 大丈夫
職場は黒くてザラザラしていて
毎日のっぺりと同じことを繰り返す
ある朝電車に乗って一時間
なぜか降りる駅で降りなかった
そのままぼんやり座ったあと
携帯をひらいて
検索
こういうときは海に決まっている
ふいに心に浮かんだ単語
復讐 なにに?
ペンギンをみにいこう
私はペンギンがすきだったんだ
真っ青な空 真っ青な海
大きく息を吸う
わああーー
水族館にGOー!
逃れられない呪縛から逃れ
ドキドキしながらチケットを買う
アイスをたべ
タッチングプールでネコザメをなで
ひとりゆっくりベンチに座ってイルカショーをみながら
ボロボロと5年ぶりぐらいに泣いた
体の中に見つけたまるいふわふわしたものを優しくなでながら
ずっと夕日をみていた
明日は自分のためにある
忘れないように
明日からは
(逃れられない呪縛)