瑪瑙

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4/18/2024, 12:12:51 AM

卒業式の日に満開だった桜は日を追う事に色を失う。
僕の心も日を追う事に沈んでいく。

僕にとって、高校生活はかけがえのない宝物だった。
そして、日常だった。
そんな日々が突然、変わってしまった。
自分で望んだ大学進学。
でも、入学式も終わり、大学生活が日常になりつつある、現在。
何故か、少し、寂しい。
大学進学を機に、地元を離れた。
地元と同じことは、空と桜の木だけだった。

僕の高校は、桜が綺麗に咲く。
卒業式の日、満開の桜が僕らの門出を祝した。
大きく咲き誇った、桜は、心から僕たちの門出を祝ってくれているようだった。

引越しをして、一人暮らしを始めたが、近くに大きな桜の木があった。
その木は、あの時と同じように、大きく咲き誇っていた。
それが、僕と高校生活を繋ぐ架け橋のようなものだったのだ。
毎日桜の木を見て、高校生活を思い出した。

その桜も散ってゆき、色を失った。
僕の頭の中にある、高校生活も白黒画像のようになった。
寂しい以外の言葉が見当たらない。


植物は僕と過去を繋ぐ。

来年の桜を見る頃に、僕はまた、色のついた高校生活を思い出す。

4/16/2024, 11:52:01 PM

僕には夢がない。
高校の国語の授業での卒業制作、お題は、『自分』
今までの自分と、これからの自分について。
すなわち、過去と未来。
夢。
僕は、自分が嫌いだ。
高校生活の中で、心を壊し、鬱になった。
鬱になると、自分の何もかもが嫌いになる。
今までの自分も、今の自分も。
もちろん、夢なんかなくなる。
最後に夢を抱いたのはいつだろう。

「僕の将来の夢は××です」
僕の小学生の頃。
将来の夢について発表する機会があった。
きっとその時は、はっきりと何かの職業を言ったのだろう。
今、思い出してみたら、ノイズで何も聞こえない。
何も覚えていない。

僕は卒業制作に綺麗事を並べた。
僕の人生は楽しかった。
僕のこれからの人生は明るい。
夢は。

なんだろう。
僕は何になりたいんだろう。

4/15/2024, 11:07:24 PM

毎日毎日、僕は愛を叫ぶ。
それでも、この愛は届かないことを知っている。

「好き」
「かわいい」
言い続けたら照れるのを僕だけが知っている。
だって、こんなにしつこく好きだと叫ぶ人は僕以外居ないから。
でも、本気にはしてもらえないよね。

あなたに会うためだけに学校に行く日々。
僕は学校が苦手だ。
でも、あなたは学校でしか会えないから。
僕は毎日、重たい体を起こして学校に向かう。

朝の会議が始まる前に、あなたに会いに行く。
授業に来たあなたと喋る。
部活が始まる前にあなたに会いに行く。
遅くまで勉強のためという口実で教室に残って、あなたが「帰るよ」と言いに来るのを待つ。

あなたに会えない日は学校に行く意味が無いくらいに、僕にとってあなたは僕の心の中心だった。

でも、僕の愛は届かない。
だって、僕とあなたは、生徒と教師の関係だから。

4/14/2024, 2:15:02 PM

僕は神頼みが好きじゃない。
まず、そもそも、神なんか居ない。
顧問に嫌われたり、
親に束縛されたり、
必要以上の期待を背負わされ、応えきれなかったから、責められたり、
練習量も実力も1番になったのに、年功序列で、選手から排除されたり。
神様がいたら、僕の努力を見てくれているはずなのに。
神様がいたら、何かはマシなはずなのに。
神様がいないから、努力は報われないし、人間関係も恵まれない。
そう考えるしかない状況で生きてきたから。

僕の周りの人間は、よく神頼みをする。
“勝てますように”だとか
“担任が誰々でありますように”とか。
みんなの中に神様はいるんだろうな。
きっとみんな努力が報われ、人間関係も恵まれている。
僕の中に神はいないし、きっと心は誰よりも荒んでいる。
今の僕は人を妬むことしかできない。

こんな心の荒んだ人間だから、神が近くに居てくれないのだろうか。
神を信じれば、神は何かしてくれるのだろうか。
きっと関係ないだろうな、前にも同じことを思って神様に願い事をしたけど、叶えてもらえなかったんだから。
その時の僕の願いは、些細なことだったのに。
僕の唯一心を許せる先生に来年も教科担当をしてもらうこと。
なのに。
その先生は転勤したんだ。
こんな些細な願いも叶えてもらえなかったら、何も期待したく無くなる。
神なんていてたまるか。

今、神になにか聞けるとするならば、

“神様は本当にいますか”

と聞きたい。
きっと答えなんか帰ってこないだろうけど。

4/13/2024, 11:25:00 PM

空を見上げる。
雲ひとつない真っ青の空。
僕はコンビニ弁当を片手に、ベンチに腰かけていた。
10分前に昼休みに入り、やっと見つけた1人になれる場所。
昼休みは残り20分。
本当は定食屋にでも行こうかと思ったのだが、とても混んでいて、並ぶのを諦めたのだ。
コンビニに寄り、会社に戻った僕はこのベンチを見つけた。
澄み渡る青さが気持ちいい。
会社の裏ということもあり、静かで落ち着く。
コンビニ弁当を開け、手を合わせ、小さな声で「いただきます」と言う。
今日も幕の内弁当にした。
卵焼きから食べるのが僕の食べ方。
うん、いつも通り、美味しい。

しばらく食べていると、誰か来た。
同じ部署の部下だった。
彼は不器用で、仕事も遅い。
その分、丁寧なやつだった。
彼は向かいのベンチに座った。
彼も昼ご飯を食べにきたようだった。

僕が食べ終わり、立ち去ろうとすると、彼は僕に話しかけた。
「あの」
「ん?」
「相談があるんですけど…」
彼は僕が1人になるのを待っていたらしい。
ポツリポツリと彼は話し始めた。
この青く澄み切った空に似つかわしくない、とても大きな悩みを。

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