瑪瑙

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空を見上げる。
雲ひとつない真っ青の空。
僕はコンビニ弁当を片手に、ベンチに腰かけていた。
10分前に昼休みに入り、やっと見つけた1人になれる場所。
昼休みは残り20分。
本当は定食屋にでも行こうかと思ったのだが、とても混んでいて、並ぶのを諦めたのだ。
コンビニに寄り、会社に戻った僕はこのベンチを見つけた。
澄み渡る青さが気持ちいい。
会社の裏ということもあり、静かで落ち着く。
コンビニ弁当を開け、手を合わせ、小さな声で「いただきます」と言う。
今日も幕の内弁当にした。
卵焼きから食べるのが僕の食べ方。
うん、いつも通り、美味しい。

しばらく食べていると、誰か来た。
同じ部署の部下だった。
彼は不器用で、仕事も遅い。
その分、丁寧なやつだった。
彼は向かいのベンチに座った。
彼も昼ご飯を食べにきたようだった。

僕が食べ終わり、立ち去ろうとすると、彼は僕に話しかけた。
「あの」
「ん?」
「相談があるんですけど…」
彼は僕が1人になるのを待っていたらしい。
ポツリポツリと彼は話し始めた。
この青く澄み切った空に似つかわしくない、とても大きな悩みを。

4/13/2024, 11:25:00 PM