秋🍁
「秋｣と発言すると、どこからともなく橙色の楓の葉が1枚ひらひら舞い落ちてくる能力を得た。
スマホに入力してもシャーペンでノートに書いても、心の中で唱えても楓の葉は落ちてくる。
こんなに落ち葉だらけでバカみたいだ。
私は私を見もしないあの人の名前をこんなにも呼んでたのだから。

大きな窓から広い海が見えた。
綺麗だな、と思って窓に近づくと自分の顔が窓に薄っすら反射して少し嫌な気持ちになった。
海から大きな私が生えていた。

私はジャングルジムの一番上に登れない人間。
登る時は一番上を目指し、やるぞ、と思っているのに途中から怖くなる。落下するのではないかと足が竦む。
真ん中の方から登れば地面に叩きつけられることはないだろうと易しい道を選んでも、何故か足がすくんだり頭を打ったりして諦める。
いつも一番上まで登った子を一番下から見上げてる。
私の人生もなんかそんな感じ。

ずっとこの気持ちを抱えてる。
何かあったわけじゃないのに、憂いと悲しみが付き纏う。
重く厚い雲が上にあるみたい。晴れを想像できない。
いくら紛らわしてもついてくる。
楽しいことがあっても少し離れたところでこっちをじっとみつめてる。
どうしようもできない。この状況は自分で作ったものなのに。

私はプリントTシャツが好きだ。
少しでもプリントを長持ちさせるためにプリントTシャツ洗濯するときは全部裏返す。
効果があるのか、根拠はないけど。