7/2/2024, 1:58:40 PM
太陽が好きだ。
ポカポカしてて、窓際にいると気持ちいい。暖かくなるとつい眠くなってゴロゴロしてしまう。
今日も暖かい日差しにウトウトと微睡んでいると、誰かの足音が聞こえてきた。その足音は私のいる部屋の前で止まると、数拍置いてから扉を開ける。
「あ、もも、おひるねしてる〜」
妹だ。幼稚園から帰ってきたらしい。妹は嬉しそうに私に駆け寄ると、そのまま私の隣にゴロンと寝転ぶ。
幼稚園の制服のままで。ママに怒られても知らないんだから。
「わー、ぽかぽか!」
妹は無遠慮に私にスリスリ寄ってきて、そんなことを言った。あーあ、私のせっかくの憩いの時間が。
……まあ、この子はちっちゃいし。お姉さんの私が構ってあげるか。
「きもちーね、もも〜?」
まだ小さい手で私の頭を撫でながら言う彼女に、私は返す。
「みゃお」
6/30/2024, 1:10:21 PM
運命の赤い糸。
とても素敵な響きだ。『運命』と『情熱の赤』。
私にも繋がっているのだろうか? と、何も付いていない小指を眺めてみる。
どんな風に結ばれているのだろうか。その糸の先には誰がいるんだろう。
まあでも、と私は息を吐く。
家のリビングでソファに座って、テレビのリモコンを手持ち無沙汰に操作している彼を見て。
私に運命の赤い糸が繋がってたとして、その糸の先にいるのは──。
「あれ、帰ってたんだ。おかえり」
彼はようやく私に気づいたのか、ひらひら手を振りながら言った。
「……ん、ただいまお兄ちゃん」
糸の先は、この人じゃないだろうな。