会社からスマホに送られてきたURL付きのメッセージ。
"どこにも書けないことをここだけに教えて下さい。会社への不満、自分自身のこと、なんでもいいです。思ったことを書いて下さい"と書かれていた。
URLを開くと、記入欄だけがある。
どこにも書けないことか……じゃあ……。
「どごでも書けないことを会社に教えるわけないだろバーカ!ふざけた質問するな!二度とこんなクソメッセージ送ってくんな!」
と入力して送ってやった。
数日後、社長から呼び出しをくらう。
社長室には、数十人の社員がいた。
「君達はこの前のアンケートで暴言を送ったな?どういう考えで送ったか教えてもらおうか」
社長はタコみたいに顔を赤くしながら怒っていた。
……そういえば、スマホに社員番号で事前登録しているから、名前なしでメッセージを送っても誰が送ったか特定されるシステムだったことを思い出す。
匿名だと思って、暴言メッセージを送ってしまった。
なんて罠だ……クソ会社め。
リビングで鳴り響く木製の掛け時計。
カチカチと、秒針が一秒ずつ動いている。
この音が聞こえているということは、自分は生きているという証拠だ。
物心からずっとある掛け時計。
壊れて動かなくなったときは、いつも修理に出している。
買い直せばいいって思われるかもしれないが、ずっと共に時を歩んできた相棒として、これからも一緒に時を歩んでいくだろう。
時計が完全に壊れるか、俺が死ぬか。
いつ、時が止まるか分からないから、一秒一秒大切にして生きていこうと思った。
この溢れる気持ちをどうするべきか。
想い人が私のマスターだから、伝えていいものか悩む。
私はマスターのお手伝いロボット。
人間とロボットでは不釣り合いだ。
でも、私はマスターが好き……いや、大好き。
マスターの傍にいるだけで、身体の温度が上がってしまう。
「おい!身体から湯気出てるけど大丈夫か!?」
マスターが私を見て言った。
そんなに見られると照れちゃう……。
「お、おい!口から油が出てるぞ!診てやるからこっちに来い!」
ああ……私の身体を診るなんて……そんなハレンチな!
「シュウウウゥゥゥ……」
オーバーヒートしてしまい、私はその場で倒れてしまった。
床に物が散乱している自室。
今週末に彼女が来るから、それまでには片付けないと。
どこから片付けようか考えていると、スマホにメッセージが届いた。
相手は……彼女からだ。
「私にしてくれるならキスとKissのどっち?」
……どういう質問だこれは?
キスとKissか。
どっちも同じ意味だけど、キスは濃厚なキスで、Kissは軽いキスなイメージ。
俺はそう思うが、他の人は違うイメージかもしれない。
どっちと言われたら……やっぱりキスだろう。
「俺はキスをするよ」
メッセージを打ち込み、彼女に送る。
一分もしないうちに返事が返ってきた。
「ありがとう!嬉しい💋」
どうやら、キスが正解だったらしい。
週末は彼女に、俺の濃厚キスを味あわせてやるぜ。
俺はウキウキしながら、早めの片付けを始めた。
"1000年先も緑が残るように、自然を大切にしよう"
壁に貼られていたポスター。
1000年先も緑が残るように……ねぇ。
1000年後は緑なんか残っていない。
1000年前の人類が自然を大切にしないから、1000年後の俺達は苦労しているんだ。
未来を変えるために過去へ来たのだが……何から手をつけるべきか。
政府に未来のことを言っても信用されないだろう。
「やはりこれを使うしかないか」
数日で木が生える種。
世界中に巻いて、緑を増やすしかない。
早速世界中に種を巻いて木を生やしたが、すぐに伐採されてしまう。
木が邪魔だと言って伐採する奴ら、土地を売るために伐採する奴ら、ソーラーパネルを置くために伐採する奴ら。
……この時代の人類は、とんでもない奴らだった。