スーツや着物を着た若者達が溢れかえっている市民会館。
なんでこんなに若者がいるんだろう?と思ったが、今日はここで成人式をするらしい。
ということは全員、二十歳か。
キラキラ輝いていて、眩しく見える。
俺も二十歳の頃は、多分キラキラしていたと思う。
当時は内定も貰っていて、社会人として頑張るぞ!と意気込んでいたが……。
仕事が自分に合わなすぎて、一ヶ月で退職。
それから別の会社に面接を受けるが、なかなか内定を貰えず、バイト生活の日々。
バイトの給料で生活は出来ているから、バイトのままでいいかと思い、気がつくと十年以上経っていた。
今の俺は、もう輝きすらない。
あの若者達は、いつまで輝けるかな?
……まっ、俺が気にすることではないか。
人それぞれの人生だしな。
ギャーギャー騒いでいる若者達を横目に、俺はバイト先へ向かった。
夜空に浮かぶ三日月と更待月。
数年前、宇宙怪獣が月にかぶりつき、二つに別れた。
あの日から、満月は見ていない。
おかげで、狼に変身することが出来なくなってしまった。
「わおーーーん!!!」
夜空に浮かぶ二つの月に向かって、雄叫びをあげた。
皿の上に盛られた色とりどりの肉。
見た目を変えてくれって頼んだが、色が変わっただけじゃないか。
「ナニカ、ゴフマンデモ?」
メイドロボが、鋭い目つきで見てきた。
「いや、なんでもない」
「イキルタメデス。ワガママイワズ、タベテクダサイ」
「へいへい」
生きるためとはいえ、毎日同じ食べ物じゃ飽きる。
まぁ……仕方ないけどさ。
肉を掴み、口の中へ放り込む。
色が変わっても味は変わらず、人肉は不味かった。
空からゆらゆらと落ちてくる白い雪。
数十年前は温暖化で気温が高かったらしいが、突然氷河期になり、ずっと雪が降り続けているそうだ。
一体いつまで降り続けるのだろう?
白い風景を見るのは飽きたから、違う色の風景が見たい。
シャベルで地面を掘ってみるが、雪が固まって氷になっていて、それ以上掘れなかった。
空を見上げると、灰色の雲が広がっている。
ああ……太陽が恋しい。
昔みたいに、気温が上がればいいのに……。
永遠に降り続ける雪を身体に受けながら、寒さで震えることしか出来なかった。
目の前に広がる色とりどりの花畑。
ようやく、ここまで育てあげた。
本来なら彼女と一緒に見るはずだったのに。
彼女は先に逝ってしまった。
もう動かない彼女を抱きかかえ、一緒に花畑を見る。
……虚しいという気持ちしか湧いてこない。
やっぱり、二人じゃないと駄目だ。
彼女を花畑に寝かせ、隣に並ぶように寝転ぶ。
今日は良い天気で、雲一つない。
……君と一緒に、見たかったな。
彼女のことを思い出すと、だんだんと空が歪む。
花畑も、青空も、こんなに綺麗で美しいのに。
君の笑顔と声は、もう見ることも聞くことも出来ない。