星のぬいぐるみが沢山乗っているベッド。
今日の疲れを癒すために、ベッドへ飛び込む。
私も、星になるのだ。
星のぬいぐるみに包まれていると、夜空に浮かんでいる気分になる。
ふかふか……もふもふ……。
いや、これはベッドのふかふかとぬいぐるみのもふもふ。
浮かんでいるを表現するとすれば……ぴょぴょん?
それじゃ飛び跳ねてるだけになってしまう。
まぁ……いっか。
ベッドとぬいぐるみが、私の疲れを吸い取ってくれる。
今年もよく働いたなぁ。
頑張った自分を褒めてあげたい。
来年は、もっと自分の時間を大事にしていきたいと思う。
なんだかんだでバタバタだったから。
あと、彼氏も欲しいなぁ……なんちゃって、キャッ♪
来年の抱負を抱きつつ、星達に包まれながら眠りについた。
空から降ってくる冬の冷たい雨。
さしていた傘は手から離れ、地面に落ちる。
スマホに映っているメッセージを見て、力が抜けてしまったからだ。
『私達合わないみたいだし、もう別れましょう』
彼女から送られてきたメッセージ。
お互い距離を置いてから一ヶ月。
まぁ、こうなるだろうと思っていた予感はしていたけど、まさか本当になるとは……。
「最後に会えないか?」
『ごめん。無理』
「わかった。今までありがとな」
俺の送ったメッセージを最後に、会話が終わる。
"声"で伝えたかったけど、文字で終わってしまった。
あまりにも……虚しい。
スマホ画面は雨に打たれ、地面に落ちていく。
まるでスマホが泣いているかのようだ。
空を見上げると、雨が次々と降ってきて身体に当たり、すごく冷たかった。
ぱらぱらからザーザーに変わる天気。
心というのは気分次第で天気が変わってしまう。
つまり、今私はすごく凹んでいる。
それでも前へ進まなくてはいけない。
旅路はまだまだ続くから。
雨が止むのに半日以上かかってしまった。
曇空になり、先には太陽の光が射し込んでいる。
これからも天気はころころ変わるけど、旅路はまだまだ続く。
どんな天気になっても諦めず、前へ進んでいきたい。
私は太陽の光に向かって、走った。
鏡の中に凍ったまま閉じ込められた彼女。
原因を聞くため、彼女に鏡を渡した魔女の元へ向かった。
「歳をとらず今の若いままの姿でいたいって言うから、願いを叶えてやったまでさ」
魔女は嘲笑うように言った。
どうすれば彼女を鏡から出られるか聞くと。
「そうだねぇ……歳をとってもいいと思えるようになったら出てくるんじゃないか?まぁ無理だと思うがね」
ヒッヒッヒッと更に嘲笑う魔女。
歳をとってもいいと思えるようになったら……か。
それから俺は、常に鏡を持ちながら生活をした。
楽しい生活を見せれば出てくるかと思ったが、なかなか難しい。
なぜなら、彼女と共に同じ時間を過ごせないから。
鏡に話しかけても返事はなく、ただの独り言になるだけ。
虚しい気持ちになるだけだけど、それでも俺は諦めなかった。
……あれから何年経っただろう?
結局彼女は鏡から出てこず、俺が歳をとる一方で、彼女は変わらない。
もう鏡を捨ててしまおうかと考えたこともあったが、やっぱり諦められなかった。
……私はもうおじいさんになってしまった。
彼女は、鏡から出てこない。
私が見せてきた日々の生活が悪かったのか?
それとも彼女への想いが足りなかったのか?
もう、何も分からない。
私は病で倒れ、身体が動かず、ベッドから出られなくなった。
枕元には鏡を置いている。
彼女は歳をとらず若いままで、あれから変わっていない。
私だけ、変わってしまったな……。
だんだんと眠くなり、目を瞑る。
「あいつからあんたを奪おうとしたが、まさかそこまで想ってるとはねぇ……。私の負けだ。来世で彼女と会えるようにしてやるから、それで勘弁しておくれ」
最後に聞こえたのは、魔女の声だった。
まるで別世界に来たかのような真っ白の世界。
仕事している間に雪が降ったらしく、普段は積もらないのに積もっている。
地面に足をつけると、少し沈む。
まさかこんなに雪が積もるとは……。
そんな日に限って、残業で帰りが遅くなってしまった。
とりあえず、ゆっくり帰ることにしよう。
明日休みでよかった。
歩くたびに雪を踏む音が響き、同時に足跡がつく。
街灯の光が真っ白の世界を照らしていて、すごく幻想的だ。
いつもの帰り道とは違い、ワクワクする。
仕事で疲れていたが、雪と光のおかげで気持ちが明るくなった。