一歩先に突然現れたスポットライト。
入ろうするとライトは消え、また一歩先に現れる。
いつの日か、スポットライトの中に入ることが出来るのだろうか?
人生のスポットライトを浴びるために、毎日ライトと追いかけっこをしている。
夜空で光り輝く星達。
身体が弱かった彼女は、先日亡くなって星になった。
『私、多分あなたより早く死ぬと思うの。もし、あなたより早く死んだら……星になって、あなたのこと見守ってるから』
星空を見ながら冗談混じりで言っていた彼女。
いや、今思えば冗談ではなかったのだろう。
見守ってる……か。
夜空には、無数の星達が光り輝いている。
きっと、この中に彼女がいるに違いない。
俺は星になった彼女に向かって、"ここにいるよ"と大きく手を振った。
空に響き渡る鐘の音。
離れた場所からでも、よく聞こえる。
どうやら、今日は結婚式が行われているらしい。
持っていた結婚情報雑誌をギュッと握りしめる。
私もいつか……鐘の下で好きな人と……。
結婚願望はすごくあるのに、相手が全く見つからない。
まぁ、私がイケメン好きで、相手に求めるものが多すぎるからだろう。
鐘の音が、だんだんと遠のいていく。
私が結婚するのは、まだまだ先かも……。
「はあ……」
大きな溜め息をつきながら、その場から早足で立ち去った。
空からひらひらとゆっくり落ちてくる白い雪。
今日は大寒波の襲来で、日本中で雪が降るらしい。
パラシュートで着地するように地面へ落ち、少しずつ積もっていく。
私の住む地域では滅多に雪が降らないから、気持ちがちょっとしたお祭り騒ぎになる。
あっという間に地面が白に染まり、屋根の上にも、車の上にも、雪が積もっていく。
ドサッ、ドサッ。
雪を踏むたびに音が鳴る。
足元を見ると、足首まで雪で埋まっていた。
うーん……ちょっと降り過ぎかな?
さっきまで気持ちがお祭り騒ぎしてたけど、だんだんと不安になる。
雪は私の気持ちを気にもせず、降り続けた。
家に戻り、テレビを着ける。
「うわぁ……」
家が埋まっている映像が映っていて、思わず声が出た。
今、日本中のあちこちで、家が埋まるほど雪が積もっているらしい。
気象庁は、今回の大寒波を超最強大寒波と名付けていた。
もしかしたら、私の家も雪で埋まってしまうのだろうか?
不安から恐怖へと変わり、身体が震える。
テレビを見続けていると速報が出て、避難指示が出る地域まで出始めた。
雪は、あと二日間降り続けるらしい。
あまりにも異常過ぎる。
万が一のために、避難の準備をしなきゃ。
立ち上がって窓を見ると、窓の半分が、白で埋まっている。
さっきまで地面だけ積もっていたのに、短時間でこんなに積もるなんて……。
改めて、自然の恐怖を思い知った。
光り輝く宝石のような星々。
夜空を越えた先に、こんな綺麗な光景が見れるとは……。
途中で闇に呑み込まれそうになったが、なんとか回避することに成功した。
空に浮きながら星を間近で見れるなんて最高だ。
「おや?君、ここへ来てしまったのか」
背中に白い翼が生えた子供が話しかけてきた。
頭の上には、天使の輪がある。
「まさか闇を越えてくるとは……しかもまだ生きてる人間が……」
天使は舐めるようにこっちを見ている。
「生きたままここへ来たなら仕方ない。君は死人扱いとする」
天使の言っている意味が分からず、困惑してしまう。
「ここは天国。本来なら死んだ者が来る場所だけど、来てしまったなら死人になってもらうしかない」
天使は一瞬でこっちにワープし、刃物のようなもので胸を刺してきた。
一瞬過ぎて避けれず、目の前が少しずつ闇に呑み込まれていく。
「悪いけど君は地獄行きだ」
最後に聞こえたのは嫌な知らせだった。