たーくん。

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11/29/2025, 11:54:37 PM

誰も座っていない静かなホール。
舞台の上を一人で立つと、まるで世界にひとりぼっちになった気分だ。
息を大きく吸い、声を吐き出す。
だが、声はほんの少ししか出ず、以前のようにホール内に響かなかった。
病気で声が出なくなり、舞台俳優を引退することになった。
……なったというより、そうするしかなかったのほうが正しいか。
最後に舞台へ立って、舞台俳優人生の余韻に浸りたかったが、逆に虚しくなってしまう。
客席から目を逸らし、上を見上げる。
照明が、すごく眩しい。
これからも、照明の光のように輝きたかったな……。
今までの俳優人生を思い出すと、だんだんと光が滲んでいく。
パチ……パチパチパチパチ!
突然ホール内に、拍手が響き渡る。
客席の方を見ると、一緒に舞台の上で演技した仲間達が、拍手をしていた。
感極まってしまい、涙が舞台上にぽたぽたと雨のように落ちる。
「今まで、ありがとうございました!」
今出せる精一杯の声を出しながら、一礼する。
更に拍手の音が大きくなり、ホール内と心にいつまでも響き渡った。

11/28/2025, 10:59:35 PM

太陽に照らされた白を纏う植物達。
風で揺れる植物達が、寒がっているように見える。
今日の朝は……寒い。
はあーっと息を吐き出すと、白い息が出た。
もう少し、暖かくして出かけたほうがいいかも。
一旦家へ戻り、厚手のコートを着て再び外に出た。
うーん……まだ寒い。
でも、そろそろ行かないと会社に遅刻してしまう。
ひゅ〜〜〜っと、冷たい風が吹く。
ゆらゆら揺れる白を纏った植物達に見送られながら、会社へと向かった。

11/27/2025, 10:05:30 PM

時計の針の音だけが聞こえる自室。
仕事から帰ってきて、ようやく一人の静かな時間を過ごせる。
時刻は二十二時過ぎ。
我ながら、朝からよく働いた。
「すぅーーー……はぁ……」
大きく、深呼吸をする。
疲れた身体と、疲れた心へ、空気を送り込む。
「今日も一日お疲れさま」と、心に感謝の言葉を送る。
自画自賛だけど、こうして自分で自分を褒めてやらないとやってられない。
「すぅーーー……はぁ……」
もう一度大きく深呼吸し、心へ空気を送って、膨らませた。

11/26/2025, 10:07:51 PM

今にも切れそうな一本の糸。
先のことなんて誰にも分からない。
勝手に進む時の中で、皆生きている。
今まで、何度も糸が切れそうになったが、結んだり、くっ付けたりして、時の中を生きてきた。
だが、時の中を生きるのは難しいもので、上手くいかないことが多い。
そして今、また糸が切れそうになっている。
ふぅ……このまま糸が切れて楽になりたいが、まだ時の中を生きたいから、諦められないな。
糸を何重にも結び、切れないようにしてやった。

11/25/2025, 10:05:22 PM

通勤途中の道のあちこちに落ちている落ち葉。
ようやく木の葉の色が変わったと思ったのに、もう地面に落ちている。
……早すぎじゃない?
まるで秋をさっさと終わらせようとしているみたいだ。
ぴゅ〜っと、冷たい風が吹く。
秋の終わりを感じながら自転車のペダルを漕いで、会社へ向かった。

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