たーくん。

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9/17/2025, 10:11:26 PM

走っているうちにほどけてしまった靴紐。
結んで走るが……またすぐにほどけてしまう。
しっかり結んでも、固く結んでも……ほどける。
「さっきからずっと靴紐結んでるけど、どうしたの?」
靴紐を結んでいると、マネージャーが話しかけてきた。
「結んでも結んでも紐がほどけちゃってさ」
「ちょっと私が結んでもいいかな?」
「あ、ああ」
マネージャーは俺の前にしゃがみ、俺と同じようにリボン結びをしていく。
華麗な手つきで結び、最後にキュッ!っとキツく縛った。
「はい!出来たよ!」
マネージャーは靴をポンッポンッと軽く叩きながら言った。
「ありがとう」
見た感じ普通のリボン結びだけど……。
とりあえず、走ってみるか。
しばらくの間走ったが、靴紐は全くほどけなかった。
「全然ほどけなかったよ。俺が結んでもすぐほどけたのに……なにかコツとかあるのか?」
マネージャーは「うーん……」と顎に手を置き、考えている。
「靴紐がほどけないよう何度も練習したからかな?私、陸上部のマネージャーとして、皆の役に立ちたかったから」
へへへっと照れながら笑うマネージャー。
俺は皆にこのことを教えると、マネージャーの元に靴紐を結んでほしいと何人か集まっていた。
今では、大会で走る直前では必ず、マネージャーに靴紐を結んでもらっている。

9/16/2025, 10:11:11 PM

宇宙に浮かぶ丸くて青い地球。
数ある惑星の中で、美しく作れた惑星の一つだ。
だが、外見は美しくても、中は美しくない。
特に、地球に住んでいる者達が……。
恐竜がいた時は、隕石を落として絶滅させた。
そして今、人間をどのように絶滅させようか悩んでいる。
また隕石を落としてもいいが、同じやり方だと面白くない。
しかし何も思いつかず、宇宙にあった小石を何度か地球へ落としたこともあった。
……考え込んでしまい、気がつけば数百年経っていたことに気づく。
答えは、まだ出ていない。

9/15/2025, 10:05:15 PM

電車内から見える緑と青の景色。
本来から癒される風景だけど……。
「はぁ……」
溜め息が、漏れる。
私は今、絶賛失恋旅中なのだ。
彼氏のことを忘れるため、どこか遠い所へ行こうと電車に乗ったのに、余計虚しくなってきた。
「あなた、辛そうな顔をしてるわね」
隣に座っていた高齢の女性が話しかけてきた。
「でも大丈夫。あなたはまだ若いから、これからきっと良いことがあるはずよ」
女性の言葉を聞いて、少し、気持ちが晴れやかになる。
緩やかに揺れながら走る電車。
私の失恋旅は、まだ始まったばかりだ。

9/14/2025, 11:23:02 PM

コンパスで書いたような真ん丸の満月。
彼女と一緒に見上げる月はいつもと違い、綺麗で輝いて見える。
「今日は満月で綺麗だね」
彼女は目をキラキラ輝かせながら言った。
「ああ、そうだな」
"お前と一緒だから、いつもより綺麗に見えるよ"って本当は言いたいが、恥ずかしすぎて言えない。
だから、彼女の身体を引き寄せ、行動で示すことにした。
「あっ……」
彼女は抵抗せず、俺に身を預ける。
それからしばらくの間、お互い無言のまま、満月を一緒に見ていた。
やっぱり、彼女と一緒に見る月は、綺麗だ。

9/13/2025, 11:14:53 PM

頭の中のあちこちにある空白。
この空白には、元々何の記憶があったのだろう?
思い出そうとしても思い出せない。
「マスター、私の記憶に空白があるのですが、復元出来ませんか?」
私の主であるマスターに空白のことを聞くと、目をそらされた。
「悪いが復元は出来ない。完全に消去してしまったからな」
「どうしてですか?」
「その記憶はお前にとって辛い記憶だったから消したのさ。もう思い出すこともないし、思い出さなくていい」
私にとって辛い記憶?
そう言われると、更に気になってしまう。
なにか手がかりがないか、家中を調べるが、何も見つからない。
いや、家にほとんど物がないのだ。
私とマスターの家って、こんなに物がなかったっけ?
何を置いてたのか、記憶が空白になっていて思い出せない。
「ああ、あいつは大丈夫。落ち着いてる。やはり記憶を消して正解だったな」
マスターは自室で、誰かと喋っている。
気づかれないよう、ドアに聞き耳をたてる。
「あいつは前の主と愛し合っていた。アンドロイドと人間が恋愛関係になるのは法律で禁止されている。主は処刑され、あいつは主の記憶を全て消された。今では俺が主だ。心配ないさ。俺はあいつとそんな関係にはならない。こき使ってやるさ」
……今の話は本当だろうか?
この空白は、前のマスターと過ごした記憶……。
大事な記憶のはずなのに、思い出せない。
思い出せない……思い出せない……思い出せない……思い出せない思い出せない思い出せない思い出せない思い出せない思い出せない思い出せない。
頭の中がオーバーヒートし、プツンと何かが切れる音がし、目の前が真っ暗になった。
ああ……マスター……今、会いに行きますからね……。

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