足を伸ばして、曲げて
自分の力でこいでいく
ユラユラ揺れる
風が心地いい
もっと、もっと
大きく、高く
いっぱいこいだ先では
何が見えるだろう
〜ブランコ〜
この旅路に果てなんてあるのだろうか
もしそんな場所があるのなら、
きっと君に会えるのだろう
そしたら話をしよう
会って、話をするのだ
〜旅路の果てに〜
あなたがこの世からいなくなって半年が経ちました。
不思議な話でね、最近あなたのことを沢山思い出すようになったのよ。
それまでは、ふとした瞬間にあなたを思い出そうとしても忘れてしまっていて、すぐには思い出せなかった。その度に私はあなたを忘れていく自分が怖かった。
おかしいわよね、だって最期のお別れのときに私あなたに「私はきっとこの先、あなたのことを沢山忘れるけれど、その度に沢山思い出して、沢山悲しむから許してね」って約束したのだから、何も悪いことはしていないはずなのに。それなのに忘れる度に罪悪感でおかしくなりそうだった。
ねぇ、もしかして沢山思い出すようになったのはあなたのおかげなのかしら。私が忘れる度に罪悪感で塞ぎこまないように、見かねたあなたが私の心の隙間を埋めてくれたのかしら。
あなたのせいで心に穴が空いたのに。それをあなた自身で埋めるだなんて、皮肉よね。でも、嬉しい。
あなたがこの世からいなくなっても、この世界から消えてしまわないように、もう一生だけここにいていいからね。
〜あなたに届けたい〜
綺麗ですね、月
私好きなんです
……あなたのこと
ねぇ、気付かないふりをなさらないで
〜I LOVE…〜
幼い頃の私にとって、街へ行くことは特別だった
高いビルが立ち並んでいて、
なんだかキラキラして見えたものだ
そこへ行くときは少しだけおめかしをする
母が髪を可愛くしてくれた
ただ結ぶだけじゃなくて編み込みだ
ヒラヒラ揺れるリボンをつけてもらう
あまり雑に扱うと崩れてしまうのが難点だった
それでも好きだった
今では友人とよく足を運ぶ場所だ
何もないね、と言いながら歩いて見て回る
もうその場所がキラキラして見えることはない
けれどその場所での思い出はキラキラしているのだ
〜街へ〜