『泣かないで』
ある日大切な人が別れを告げた。
その人の友達も周りのみんなも俺も驚いた。
それは急な出来事だったから。
けれど他人の俺たちが止める権利はない。
だってその人自身の人生なのだから。
俺たちは出来ることをやるしかない。
残りの短い時間を一緒に楽しく過ごすこと。
笑顔でその人を送り出すこと。
もし泣いてしまっても最後の挨拶だけは。
泣かないで。笑顔で感謝と応援を。
氷雅
『冬のはじまり』
寒い。手が痛い。
白息も見える。
もうそろそろ12月か…
もうすぐ1年が終わる。
不思議なことに1年過ぎるのが早いと感じる人もいれば遅いと感じる人もいる。
みんな同じ1年のはずなのに、どうして意見が割れるのだろう。
実に不思議だ。
それに冬のはじまりを感じる時も人によって違う。
寒くなってきたら。雪が降ったら。クリスマスが近づいてきたら。こたつやストーブを出し始めたら。
きっとまだ、たくさんあるだろう。
私はこたつやストーブを出し始めたら冬が始まると感じる。
これから本格的に寒くなると考えると嫌になる。
しかも冬は特に風邪をひきやすい。
体調管理をしっかりとして笑顔で年を越そう。
氷雅
『終わらせないで』
あぁ、どうか時間よ。止まってくれ。
もう少し、もう少しでいいから。
まだ足りない。
この貴重な時間はすぐに過ぎてしまう。
神様、どうか…この至福の時間を終わらせないで…
そう願っても叶うわけがない…
あぁ、明日から月曜日だ……
氷雅
『愛情』
俺は子供の頃から、勉強も運動もできなかった。
得意なこともなかった。
テストで悪い点数を取っても褒めてくれた。
俺が悪いことをしても、いつも笑っていた。
とても優しく、俺の好きなご飯も作ってくれた。
そばでずっと支えてくれていた。
こんなに立派な大人になれたのはあなたのおかげだ。
感謝してもしきれない。
直接お礼を言いたい。
でもそれはもう叶えることができない。
今までありがとう。
母さん……
氷雅
『微熱』
朝から微熱だった。
仕方ないから学校に向かった。
少しだるそうにしていると、
「お前、大丈夫か?具合悪いのか?」
心配してくれている。
「おう…ちょっとな…」
「無理せず、休めよ」
「ありがとう…そうしようかな…」
優しい友達を持ったもんだ。
大人になった今でもそいつとは仲良くしている。
今度は俺の番だ。
俺が優しくする番だ。
氷雅