『終わらせないで』
あぁ、どうか時間よ。止まってくれ。
もう少し、もう少しでいいから。
まだ足りない。
この貴重な時間はすぐに過ぎてしまう。
神様、どうか…この至福の時間を終わらせないで…
そう願っても叶うわけがない…
あぁ、明日から月曜日だ……
氷雅
『愛情』
俺は子供の頃から、勉強も運動もできなかった。
得意なこともなかった。
テストで悪い点数を取っても褒めてくれた。
俺が悪いことをしても、いつも笑っていた。
とても優しく、俺の好きなご飯も作ってくれた。
そばでずっと支えてくれていた。
こんなに立派な大人になれたのはあなたのおかげだ。
感謝してもしきれない。
直接お礼を言いたい。
でもそれはもう叶えることができない。
今までありがとう。
母さん……
氷雅
『微熱』
朝から微熱だった。
仕方ないから学校に向かった。
少しだるそうにしていると、
「お前、大丈夫か?具合悪いのか?」
心配してくれている。
「おう…ちょっとな…」
「無理せず、休めよ」
「ありがとう…そうしようかな…」
優しい友達を持ったもんだ。
大人になった今でもそいつとは仲良くしている。
今度は俺の番だ。
俺が優しくする番だ。
氷雅
『太陽の下で』
バイバイ…
明日友達が引っ越してしまう。
最後なので今日は朝からずっと遊んでいる。
いい天気だ。暗くなるまで遊んだ。
さみしいな……
「ねぇ。離れても友達でいてくれる…?」
「もちろんだよ…」
そうして僕は彼と最後のあいさつをして別れた。
さみしいけど楽しかった。
大切な友達と太陽の下で楽しいひとときを。
僕は一生忘れない。
氷雅
『セーター』
ずっと着ているセーターがボロボロになってきた。
周りの人には「新しいの買いなよ」と言われる。
しかし、これの代わりのものなんてない。
だってこれは俺の彼女が最後にくれたプレゼント。手作りのセーターなのだから。
氷雅