【#15. あの日の景色】
毎日同じ時間に起きて
同じように朝ごはんを食べて
自転車と電車に乗って
授業を受けて
同じ時間に帰って
寝る
白紙のノートに
テンプレート化した行動を
記しているような毎日
だけど日々めくっていくページの中に何か
色が加えられる瞬間があったりする。
それは予期せぬことの方が多い。
だから、その時の色は溢れ出した青や黄、赤とか...
そんな時脳内で前に書いた記憶のノートを出して
ページをめくって喜怒哀楽。
その時の私はただただ呆然と
毎日ノートに同じことを記している
だけかもしれないけど
戻って書き足すことが出来ないことを
わかって欲しい。
と日々呆然とノートを書いている自覚がある
私が言うのも可笑しい気がするが。
私は戻って書き足せばよかった
と思ってページを
消しゴムで消して
さらに消した跡も残って
ぐちゃぐちゃになって
溢れた雫でボロボロにするなら
記憶のページを作るなら
私は綺麗なノートを作れる人になりたいと思う。
【#14. 波音に耳を澄ませて】
「海だ〜!」
そう叫んで一目散に駆け出して行った
あなたの背を私はうしろから追いかけた
走り疲れた私たちは
目の前に広がる揺れ動く
茜色と紺色が混じった風景をお互い静かに見ていた
「この海みたいになれたらなぁ」
とあなたは呟く
この時間だけ今までの人生を
白紙にすることができていた
一定の音をたてて
揺れて砂を撫でる波と
綺麗なグラデーションのパレットの空は
どこまでも続いていて
どんな私でも受け入れてくれる気がして
すべてを白紙にして忘れて、忘れさせて
あなただけを思いながら
来世は白い波になりたいと思った
【#13. 青い風】
新生活が始まって
インスタを開けば
新しい顔ぶれと写真を撮る中学校時代の人達
私はそれに背を向けて
その眩しすぎる光と風に押し負けて
走っても自転車で漕いでもたどり着けなくて
早く風になりたいと思った
【#12. 雨の香り、涙の跡】
雨に打たれたい
そうしたら鎧を脱いでいても
外を歩けるから
面を取っていても誰も流れた雨に気づかないから
学校に行く
別に楽しくないってわけじゃない
でも楽しいってはっきり言えるほどの価値がない
家に帰ってそうやって悶々と考える
中学校の時みたいに上手くいかない
中学校の時ははっきりと楽しいと言えてた
そう考えてしまっている私が嫌いで
一つ、雨を降らせた
学校では自分を造って
固めて
鎧を着て面を被ってる
それは肩がこるから
家に帰って鎧を脱ぐ
そして鏡を見る
なんて惨めな顔なんだろう
鏡には気に入らない私が映る
どうしてだろう
家を出る前までは良かったはずなのに
そんな考えしか出来ない私が嫌いで
二つ、雨を降らせた
今日も私は
溢れる雨の香りを感じとって
傘を差し出して
笑いかけてくれる太陽を探している
【#11. 糸】
私から見たら
信じていた友達も
私の好きな彼にも
ボロボロてほつれそうだけど
繋ぎ止めている嫌いなあいつにも
糸は繋がっているのに
私がどんなに修復しても、新しい糸にかえても、
ボロボロになって
あなたは私との糸をあなたからチョキンと
断ち切ってきまうのね
あーあ
とても残念だ
そうして私は新しい糸を探す