1/1/2024, 5:41:49 AM
はらり。
優しい赤の花びらが1つ落ちた。
「良いお年を」
そう言ったばっかりだったのに。
あけましておめでとうって伝えたかった。
今年もよろしくって笑顔で言うはずだった。
涙が溢れて止まらない。私の大切な人が新年に亡くなった。
私たちは家庭環境があまり良くなかった。親戚や友達にも恵まれず、ただ生きたくないと思ってしまうほどに。
逝きたいけど生きたい。
そんな矛盾を抱えた、子どもだった。
出会ったのは偶然で、たまたま図書室で同じ本を読んでいるというだけだった。
いつしか青空の下で叶うかも分からない希望と夢を抱いて語り合った。
来年も生きれたらいいなって希望を持っていたのに。
神様は理不尽だ。
なぜ彼のような人が生きれないのか。なぜ彼が逝かなければならなかったのか。
いや神なんていないんだ。
一緒に庭に植えた赤いサザンカの花。困難に打ち勝つ。そんな花言葉の。
花びらが散って、枯れてしまったその隣にはネリネという花が咲いていた。
「私もだよ。」
また1つ滴が落ちた。
ネリネの花言葉:また会う日を楽しみに
ー2024,1,1
『良いお年を』
12/27/2023, 2:08:28 AM
「お前はそのままでいてくれ。」
かつての幼馴染が私に言った言葉。
もう遠くに逝っちゃって会えない幼馴染。
「そのままで、かぁ。」
無理だよ。もうあの時の私じゃない。ずっとずっと変わらないなんて無理に決まってる。
幼馴染が逝ったその日から私は貴方が羨ましかった。美しい見た目のまま空へ飛び立った、自由になった貴方が。
もう何もかも変わったんだよ。
街並みも、年齢も、そして私の心も。
「あの頃は幼馴染に死なないでと、死ぬのはダメだと言っていたけど今は、」
早く会いたいなぁ。
なんて呟いて飛び立った。
_2023,12,27
『変わらないものはない』