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3/22/2024, 6:14:36 AM

  二人ぼっち

  教室に入れなくて、別室登校をしてたあの日。
  教室に差し込む昼下がりのオレンジ色の光。
  貴女が響かせる鉛筆の音と、
  私がついた、軽いため息。
  そして、少しのクーラーの機械音。
  二人だけの静かで少し悲しい空間。
  少し離れたどこかの教室から笑い声。

  …….二人ぼっちだね。

11/11/2023, 12:35:29 PM

『飛べない翼』
 
僕は心の中に飛べない翼を持っていた。
はじめにそれがあるってわかったのは確か小学生の頃だった。
それは学校に行きたくなくなった時のことだった。
友達と過ごす、大切な場所に。
勉強もあまり苦手なわけじゃなかったから、他に何か原因があるように思えてその日からその〝理由〟を探し始めた。
すると友達と人と関わるのが嫌ということに気がついた。
なんだ、それだけの理由じゃないかと思っていたら、ある日学校で過呼吸になった。
理由はもう忘れたけど。
それからだった。僕が死にたいと思い始めたのは。
何回も、何回も死のうとした。
住んでいるマンションから飛び降りようとした。
太い血管を切って出血死しようとした。
でも無理だった。
怖かった。楽になると思えたけど、痛そうで苦しそうで怖かった。
中途半端な苦しみを、死のうと思う気持ちをマンションから飛べない翼を。
そんな物与えるなら全部消えるか、その気持ちで一杯一杯になった方がマシだった。
もう高校生になる僕の心の中にマンションから飛べない翼はまだ、残っている。

11/1/2023, 10:43:47 AM

 お題 永遠に
 
 君を永遠に愛している
 今隣にいる人が君じゃなくても
 今隣が空いていたとしても
 君が初恋だったという事は変わらない
 そして君が同性愛者だという事も永遠に変わらない

10/31/2023, 11:39:44 AM

 お題 理想郷

「私のユートピアはね、死ぬことだよ。」
「…..そっか。」
「だって夢とか理想郷がさ、全部ほんとになっても、幸せかどうかは分からないでしょ?例えば、友達を頑張って作ったけどいじめられた———-とかさ。」
「うん……。そうだね。」
「だから私、もういきたくないんだ。その〝例えば〟が現実になちゃったから。
「……帰ろっか。」
「うん、そーだね。」

ユートピアについて、話した日。
最期のS O Sが親友から発せられた日。
親友は死んだ。
クラスの真ん中にいる人たちにいじめられて、それに耐えられずに。
いじめられていることも全部知ってた。
でも、親友からのS O Sを無視してた。
自分にいじめが回ってくるのが怖くて。
私が殺したも同然だ。
「……..ごめんね…..。」
罪悪感と悲しみで、泣いた。

10/30/2023, 12:31:12 PM

 お題 懐かしく思うこと


立っているだけで汗が滲む、そんな夏になると思い出す。
アイスの味、あなたの声、女の子の赤い顔。
私じゃない誰かにあなたが告白した時のことを。
それは体育館裏でのことだった。
ソーダアイスをかじりながら、居残りだったあなたを学校まで迎えに来ていた。
そんな時、聞こえた。あなたの声が。
「好きです!付き合ってください!」
体育館裏から聞こえたその声は紛れもなくあなたのものだった。
私の手からアイスが落ちる。
信じられなかった。信じたくなかった。
女の子が頬を赤らめながら小さく頷くのも、あなたがみたことないくらい嬉しそうな顔をしているのも。
私の目から流れる涙も。
嬉しいはずだった。あなたが喜んでいるのが。
愛おしいはずだった。ベタな告白の場所を選び、ベタな告白の仕方をしたのも、全部。
でも、どうしようもなく悲しかった。

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