月下の胡蝶

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7/31/2023, 4:13:27 PM

お題《だから、一人でいたい。》



心の底には朝陽がささない。


誰の笑顔も幸福も毒となるばかりで。




嘲笑う真実。



愚かでも歪でも――生きている、生きていくんだ。



誰にも笑われない生き方など、遥か遠い夢のまた夢。




今はひとりきりこの道の果てをゆく。



いつかまた、ふたりきりの旅が明けていくまで。



この旅は続いてゆくんだろう。

7/30/2023, 4:58:34 PM

お題《澄んだ瞳》





どんな悲劇もそこには、存在しない。



夜の果てさえも、人は必ず越えてゆける。





前を向こう。



その命で、やさしさを繋いでいこう。あなたのやさしさがいつか荒れ果てた場所でそっと、、花開くように、そう信じて。



7/28/2023, 5:19:53 PM

お題《お祭り》



風の言の葉で歌う涼やかな旋律。


それが、人の子を呼ぶ。



カラカラ廻る朱い風車。



青い狐の青年と人の子である、小さな娘。


――拾わなければよかった。


今さら後悔するのはずるいのだとわかってても、もう遅い。憂鬱で悲壮ただよう青年に娘は、風車を指差し楽しげに言った。



「あかい風花きれいだねぇ」

「……風花は、そういう意味じゃないだろう」

「えー? 風に廻る花だよ。ほら」




カラカラ……。



「まあ、たしかに」



綺麗なものだけ集めた、祭り。あやかしも人の子も――結局は好きなのだ、美しく儚いものが。


迷わぬように、その小さな手を引いて、青年は果たしてこの娘が帰れるだろうかと見つめた刹那――目が合った。





「いいの。この夢が終わらないのなら、それでも。だってまだ、お兄ちゃんと一緒にいたいから」




7/23/2023, 4:38:06 PM

お題《花咲いて》



いつか、この物語にも終焉が来るのだろうか。



光の世界で、咲くことはできなかった。



夜の世界で。ずっとずっとひとりきり、永遠に訪れることのない朝を待つの。



そんなことすら幸せの悪夢なのだ。

7/16/2023, 12:16:28 PM

お題《空を見上げて心に浮かんだこと》






アンダンテでいきましょう。



あなたにはあなたの。



わたしにはわたしの。



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