月下の胡蝶

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4/14/2023, 12:57:29 PM

お題《神様へ》



たくさんの命が零れ落ち、煌めきを失いました。


神様は、何のために在られるのでしょうか。


世界は何のために、血を流すのでしょうか。



真実を知らぬのはあまりにも、愚かでしょう。




嘆いては消える言の葉たち――。


神様に届いていると、そう信じ願いを込めて。

4/14/2023, 7:57:10 AM

お題《快晴》



青空には白がよく映える。


庭を真っ白に染めるほどの大量の洗濯物を干す傍ら縁側では、狐面の青年がのんきに茶菓子を食べている。それはこの前白雪が持ってきた、都市伝説にもなってる人魚焼きだ。人魚の生き血が練り込んである……とか何とか。


「ちょっとは働きなさいよね」


小言など言いたくないが、何も言わないと永遠にだらけるのだこの男は。


「んーヤダ。働くのってエネルギーいるし」

「またそんな屁理屈言って。この前もその前もあなたそこでお茶飲んで、茶菓子食べてばっかりだったじゃない」

「そこに茶菓子があるから?」

「そこに山があるからみたいに言わないで」



洗濯物を干し終え、思わず深い溜息が溢れる。





こうなったのも全部母のせいだ。



――この狐面の面倒を見なきゃいけなくなるなんて。



そしてその母は。







「久しぶりにちょっとそこまで出かけてくるわ。後はよろしくね。くれぐれも、頼むわよ」




いい笑顔で、行き先も告げず――連絡先も教えず、そのままだ。


4/12/2023, 11:47:24 AM

お題《遠くの空へ》





想い描く夢ひとつ。


いつか描いた夢は、いつかいつかと遠ざかって泡沫となって、散ってゆく。



それでも夢の翼を描いて、蒼穹目指す鳥になるんだ。





4/11/2023, 11:10:38 AM

お題《言葉にできない》



忘れられたわたし。



今日も教室には雨が降る。



破り捨てられた教科書も。


目の合わない日常も。



いつか終わる。


いつか変わる。



淡い期待の海に溺れて沈んでは、浮上を繰り返す。




そんな日々に疲れてしまったわたしが出会ったのは。


風に揺れる向日葵のように、陽に煌めく髪の少年。
色褪せた本を宝物のように抱いて笑った。





「君が望むなら。――ひとひらの夢を魅せてあげる」





瞳から優しい花びらが、零れ落ちた。



4/10/2023, 11:28:03 AM

お題《春爛漫》



青空の開演。


青い小花の子どもたちは懸命に道端で背伸びをする。
囁くように、楽しいおしゃべり。


公園で淡い黄色のワンピースを広げる子どもや、ふわふわのワンピースが風に咲く子ども。



今日も日常には夢があふれている。

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