3/22/2023, 4:45:37 PM
お題《バカみたい》
出せない手紙を握りしめ、通学路のポストをまた今日も通り過ぎる。
何度目かのため息と共に消えたのは、あの人への淡い恋心。
3/22/2023, 4:22:22 AM
お題《二人ぼっち》
どんな痛みも分かち合える。
二人だから。
二人なら、大丈夫だ。
3/20/2023, 11:26:42 AM
お題《夢が醒める前に》
季節が移ろいゆくように。
物語が終焉を迎えるように。
夢の終焉が、近づいている。
「あたたかい光をいっぱいありがとう、アリス。――もう泣かないよ。だから、ばいばい」
クリーム色のふわふわの毛並みが自慢のあの子は、青い鈴の音を鳴らす。チリン。
私がはじめて贈ったものだ。――今でも大切にしてくれてたんだね。
「にゃあ」
あの子と二回目のお別れをする。でもそれは悲しいさよならじゃない、光へ向かって歩いていく。
もう、大丈夫だきっと。
3/18/2023, 11:51:33 AM
お題《不条理》
壊れた世界の壊れた日常
幸せも
不幸も
みんな、不平等
冷めた瞳が見つめる先に明日はない
一体この世界は、誰が救ってくれるのだろう
3/17/2023, 11:04:19 AM
お題《泣かないよ》
大輪の華火が咲いた夏の夜。
土手で向かい合い、告げられた、言葉。
華火の音と共に記憶から消えてしまった。最後見た彼の顔は泣いていないのに、泣いていた。
何か言わなくてはと思うのに、浮かぶ言葉もない。
ただただ、鮮やかに虹色の華火が夜空を染めあげる。周囲の騒音が掻き消えた世界で、私は色を失い――堕ちていく。
深い深い夜の底へ、沈んでゆく。