椿灯夏

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3/7/2023, 11:51:59 AM

お題《月夜》


夜光花が月灯りを浴びて花開く。細く透明な水晶のように澄んだ花弁――それが丘一面に咲いている光景は、どこか非現実で。


まるで夢物語のようだった。



「気に入ってくれた?」



隣にたたずむ翠緑の髪の青年が、得意気に笑った。それがちょっと悔しくて、そっぽを向く。――本当は言葉を失うくらい、感動してしまったのは私だけの秘密だ。


「あらら。お姫様は手厳しいねぇ」


全然、ちっとも気にしてない物言いに腹が立ったけど!


――仕方ないから許してあげる。




「今すぐ、花蜜団子あるだけ買ってきなさい」


「えー太りますよ」


「太らないわよ」




こんな言い合いをするのも楽しいから、許してあげる。






3/6/2023, 12:27:41 PM

お題《絆》



祈るように、慈しむように織る。


互いを繋いだあかし。






「約束を違えたとしても消えはしない――けっして」





強くもないし弱くてもないけど、それが俺たちだ。








3/5/2023, 12:49:14 PM

お題《たまには》





いつも《真実》でいる必要はない。






3/4/2023, 3:09:45 PM

お題《大好きな君に》



季節をあげたかった。



眠るように、この春突然君は旅立った。


浅き淡い夢を見ているようで。



尽き果て無い涙は、一体身体のどこから湧いてくるのだろう。心が壊れてしまったかのように、降り止まない涙雨。


写真嫌いな君が、たったひとつだけ赦してくれた写真を握りしめて――どうかはやく、生まれ変わって、もう一度出逢わせてよ神様――。




そんなの叶うはずなんてないと想うのに、そう願わずにはいられなかった。


3/2/2023, 11:29:58 AM

お題《たった一つの希望》



それは心の奥に記憶してきた物語かもしれないし、紡いできた言の葉かもしれない。


わたしの希望は、後にも先にもそれだけ。



わたしの道を照らし導いてくれる――唯一無二の案内人なのだから。


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